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カブの◇はなし
連休なのに株の話?
この1年、ゆるやかな勾配で素人目には日経のスマートチャート
右肩上がりのように見えます。
なにもリンクしなくてもよさそうなもんですが、グラフ曲線が
それなりにきれいなので、つい。

でもこれはおいしい蕪(かぶ)のはなし。
いまや猫毛フェルターなる肩書きに文字通り東奔西走
カルチャーセンターや市民サークルに講師として呼ばれて
いそがしい蔦谷Kさんのベランダ菜園からのおすそ分け。



ということで、これは『マメに暮らすゼ!』番外編です。

その蔦谷Kさんは多忙のなかでもマメに菜園などをきりもりして
春先のかわいい蕪を分けてくださいました。
大きな画面で見ているかたでしたらほぼ実寸、直径3〜4cmくらいの
ものでした。
やわらかい緑の葉っぱごと味噌汁の具に刻んでみたら、その
香りの強いことにびっくり!

これが蕪だとしたら、いつも食べているあのおおきな(ふつうの)
蕪はいったいなに??
というくらいに味と香りがぎゅっと詰まっているのでした。

というより、もしこれが大きなサイズの蕪だったら濃厚すぎて
1個丸まる食べることができないかもしれない、とおもうほど。

その驚きが大きかったので、いちどに食べるのが惜しいような
気がしたものだから何日にも分けていただきました。
それが日が過ぎるとだんだん味がふつうになってきて
慣れてしまったから、というよりもあきらかにいつもの
蕪の味に近づいてしまったからふしぎです。

やはりはじめにいただいたときに感じた新鮮さは土の香りが
ちいさな丸いところから葉の隅々まで行き渡っていたからに
ちがいない、そうおもいました。
日が過ぎて、かたちは変わらないように見えるのですが
土の記憶というようなものが薄れてゆくのかもしれません。
おもしろいことにひとつひとつの味がちがうようにも感じます。
日数がたっても濃い味わいのものもありました。

ほんとうにおいしいものをすこしだけ食べる、そのようにして
暮らすことができればいいのですが。
ていねいな暮らし、のよさが見直されています。
だれでもできること、そのひとにあったやり方で。

なかでも食べることがいちばんだいじ、そうおもいます。
author:信愛書店 en=gawa, 12:55
-,
ミニコミ『葬』第3号、「ペット葬特集」もうじき入ります。

さりげなく師走がやってきました。
久しぶりにぎんこさんから近況が届いたら、いまどき珍しい
”バブル”の話題。

さて、はたしてバブリーな話題なんでしょうか??


出版娘の日常/第10回 なぜかバブル勃発

大変ご無沙汰してしまっております。
ぎんこです。
本当に、最近は営業らしき営業をやれていませんで、目を覆いたく
なってしまうほどです。

理由は…

編集長が言ったある日のひとこと



「来年は年12冊、本を出すぞ!」

ちなみに、今年ウチから出ている書籍は、3冊です。
去年は、1冊でした。一昨年も1冊。平均2冊にも及ばぬペースなのに、
急に12倍になってしまったのです!

まあ、普通に考えて、年間1冊しか本を出さない出版社なんて、出版社と
いえるかどうか分からないわけで…
どんなに小さな出版社でも年間6冊という点数が、やっていけるボーダー
ラインといわれています。
生き残れているのは、編集プロダクションとしての機能も備えているから
なんですが、それでも1冊というのはあまりにあまりだと、編集長が
立ち上がりました。

編集長判断になんらの間違いはありません、当然ながら。
しかし、丹念に書店をまわるだけの毎日(給料泥棒とも言えるかも
しれません)から、本格的に企画・編集にも関わるようになってしまい
(やっと仕事をするようになった、と言えるかもしれません)、嬉しいやら
忙しいやらで、今までの仕事が何も回らないのです。

ただただのんびりとやっていた自分に反省。ちょっと仕事が増えただけで、
こんなに焦ってしまうなんて!

私、先月29才になりました。
大人です、十分に大人です。
もう「頑張ってる若い姉ちゃん」ではいられないのです!
なのに、まだまだ全てが中途半端で、何もかも満足にできないなんて…。

ヘコみながらも、悩む暇も与えられず、ひとまず走っています。


そんな時にミニコミを作ってしまう私、趣味は別腹なんでしょうか。
全然反省してないですね。
『葬』第3号、今度は「ペット葬特集」です。
もしも、ウチの猫が…と、涙しながら一生懸命作りました。近日中に発売予定です!
どうぞよろしくお願いします!

(ぎんこ)

author:信愛書店 en=gawa, 10:15
-,
アストラ新刊ご案内〜「政権交代にあたって」 by ぎんこ
ほんとに実現したんですね、政権交代。
新大臣たちが行動を起こして、公約を果たすために走り回っている
様子が新鮮にかんじられる毎日です。

鮮度が命。
政治は生臭い・・ではなく生もの。
政権党として責任を持って実行してほしいものです。
マスコミ番記者だけではない、見張っているのは有権者すべてです。
こうしてミニコミ的な情報の流通が発達したことは結果的に情報公開にも
似たはたらきを担ったのではないでしょうか。

そうか、担当者が変わるだけでスイッチが明らかに入ったり
切られたりする、ってほんとうなんだ、と実感する毎日。
民間だって経営者が変わったり社の方針を変えるときは急展開する
のは当たり前、ながいこと国政レベルだけがそのスイッチそのものを
新しくすることをためらっていたというわけです。

誰がためらっていたかって?
それはもちろん、あなたであり私です。
いくら押しても動かない、もう無理なのかな・・・とさえ思えた扉が
なんと開いたのでした。

最後の一押しをしてくれたのは、『希望』だったのかもしれません。

久しぶりにぎんこさんの登場です。
あらゆるところで変化が起こりつつあり、アストラの編集部にも
それは及んだようです。

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

出版娘の日常/第9回 政権交代にあたって

こんにちは。
ご無沙汰しすぎてしまっていますね。
きっと皆さん覚えてらっしゃらないでしょうが…ぎんこです。

     

ええと、弊社から鎌田慧氏の新刊が発売になります。

鎌田氏はトヨタの期間工だった自身の経験と、現場に即したインタビュー
とで『絶望自動車工場』(講談社文庫)を書き、ルポライターとして
頭角をあらわしました。
最近では『くたばれ自民党!』(アストラ)など、特に小泉政権になってから
するどく与党を批判していたのですが

ついに、政権が交代!

ということで、民主党にキビシく提言する本を出版することになりました。

名付けて、『民主党 波瀾の航海』

ぎんこ、一生懸命、本の営業をしようとしています。
でも、うまくできないのです!

テレビも見ず新聞も読まない人生をおくってきたぎんこは、就職活動を
するとき、青ざめました。
首相の名前を知りません。
ちなみに当時の首相は「小泉純一郎」です。
どこまで世間知らずだったか、わかるでしょうか。
「小泉純一郎」を10回練習しているノートが手元にまだ残っています。

そんなわけで、上手く営業トークができないぎんこは、鎌田氏の原稿を
赤入れしながら政治について学んでいます。

「自公政権沈没の教訓に学び、『平和革命』へ進め!」
というのが、本著の一番の訴え。
投票によってなしえた今回の野党勝利を平和的な政権交代とし、
そのまま革命をうち進めるにはどうしたらよいかをテーマと
しています。
「労働者に雇用と正当な賃金を与えよ」
「権力に弱いダメ・マスコミの社長は交代せよ」
「冤罪をなくす司法改革を実行せよ」
「危険な原発に替わる新エネルギー政策を」
わだかまりなく追悼できる非戦の碑を」…
以上、全て章題より。
弱い人々の立場をじゅうぶんに想像できる著者だからこその言葉に
救われる気がしています。

頑張って生きてるけど、どうしても弱い。
努力しているのに、愚かさから抜け出せない。
そんな私でも不安なく生きられる世の中なんて、できるはずが
ないと思っていました。
でも、もしかしたら実現可能なのかなあ? と、著者の言葉を
ながめるたび、そんなふうに思います。

希望をもらって、営業に励んでいこうと思います!


author:信愛書店 en=gawa, 19:25
-,
第8回 高円寺純情出版界 定例会ほうこく 「エロ漫画は今、どうなっておるのか?」
26日の高円寺純情出版界定例会報告です。

街の本屋で本が、なかでも雑誌が売れない。
大きな数字を持ち出さなくても、たとえばあなたはここ何日かのなかで
本屋でお買い物をしましたか?
コンビニでもいいのですが、雑誌を買いましたか?

立ち読みで済ませる、お気持ちよくわかります。

雑誌というものにお金を払ってでも手に入れる価値がはたして
あるかどうか。
というのは、こういった時期にちゃんと部数を伸ばしている雑誌類が
あることも事実で、読者のニーズに応えた企画はまちがいなく結果を
出しているからです。

今回のトークはエロ漫画誌編集一筋30年という塩山芳明さんに
担当したアストラ編集部出版娘ぎんこさんが聞き役となって著作に沿った
ディープなお話をしていただきました。



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出版娘の日常 第8回 
   高円寺純情出版界 定例会ほうこく

高円寺書林さんでひらかれた、高円寺純情出版界の定例会に行ってきました。
今回はただ行くだけでなく、なんと私が聞き手になってウチの著者にしゃべって
もらうというもの。

題して、
「エロ漫画は今、どうなっておるのか?」
          〜業界今昔、そしてこれから〜

今年4月に『出版奈落の断末魔 エロ漫画の黄金時代』を出版したエロ漫画
編集者、塩山芳明が語る業界内事情。
堅めの出版社が多い純情出版界、今回のテーマは全然「純情」でなくて申し訳ない。

        

トークが始まってすぐに、本の紹介からはじめました。
白いカバー、タイトル、サブタイトル、絵の使い方、何から何まで著者は気に
くわない様子。それに対抗するのはとんでもなくきつく、白旗を揚げながらの
抗弁となりました。
15分ほどの攻撃を受けた後は、本題のエロ漫画業界事情。本書を読むと明らかに
萎んでいってるこの業界に未来はあるのか? 刺激の強い青年向け雑誌を次々と
提示し、「この雑誌はこの作家さんが一番人気で…」と話し始める塩山氏。
修整シーンを見せながら「こんな小さな修整でも通っちゃうんですよ!」と
活き活きと語ります。見せられた方は当惑、かつ興味津々といった表情で、
話を聞いてくださいました。

私はこの本の営業をしていたのですが、本作りの中でお聞きしたことのなかった
部分を聞くこともできました。
それは、若い読者の傾向の話。

「最近は、昔のエロ漫画によくあったようなエロと関係ないコーナーを
イヤがるよね。4コマとかギャグマンガとかコラムが載っているようなものは
売れないね」

漫画の中身も、脱ぐまでのストーリーが長いと怒るのだとか。
物語ではなくコンテンツだけを求める時代。そんなの楽しくない!ロマンがない! 
と、28才の私は思ってしまうのですが、その感性はもう古いのでしょうか…?

30数年を現場で頑張ってきたエロ漫画編集者の心意気は、果たして皆様に
届いたでしょうか。喜んでいただけたなら幸いです。

打ち上げの際、私は著者を見失ってウロウロしてしまい、探しても見つからず
会場に着いたらちゃんと著者は座っていて乾杯の瞬間でした……
へっぽこな社会人ですが、皆さんを楽しませるためだけに生きています。
                      (ぎんこ)

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上記画像は表紙ですが、塩山さんの本の帯のために漫画家いがらしみきおさんが
書いてくださったそうです。
それというのもデビュー当時からの長い長いつきあいがあってのこと、
よくみるととんでもない漫画ですが、なぜか温かな雰囲気が漂っていて
いやなかんじではない(いやだというかたもいるでしょうけど)
それはなぜかと思っていたのですが、塩山さんの語り口調からその
謎は解けました。

プロ編集者としての芯がゆらがないこと、拠って立つところのあるひとは
ちがう、そしてその違いがわかるひともまた。

時代が大きく変わろうとしている、その只中にあることを考えさせられた
一夜でした。
author:信愛書店 en=gawa, 13:55
-,
クラシックなマーブル紙など  製本工房紅綴堂
製本工房紅綴堂http://reliure.petit.cc/ 内田由紀子さんの
コラムです。
美しく、またふしぎなマーブル紙について書いてくださいました。

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豆書林ブログ ♯18
 
お久しぶりです。
今回は本の見返しに使われる装飾紙のなかでも特にクラシックな
ーブル紙を少しご紹介します。
 
マーブルとは大理石のこと。
そしてその大理石を模した模様をつけた紙をマーブル紙といいます
といっても、大理石とは似ても似つかない模様の紙がほとんどですが。
 
 
作り方は、糊のようなどろっとした液体に顔料を垂らして、
くしなどで模様を作り、紙に吸着させるというもの。
中国で発明された技法ともいわれていて(いろんな説
があるのですがとりあえずこれが一番有力
)日本では
墨流しがこれに近いです。
16世紀後半に中近東からヨーロッパに広まり、17世紀に
ドイツ・フランスで本格的に生産がはじまります。ドイツ
では日用品や美術品に、フランスでは製本に使われました。
17世紀末からドイツでも製本に用いられるようになり、
18世紀末にはヨーロッパ諸国で生産されるようになります。
模様は時代時代で様々なものが生み出されました。
代表的なものは小石模様、矢羽、櫛目などがあります
 
 
ルリユール(工芸製本)の世界で、マーブル紙は「総革装」
(表紙全体が一枚の革で覆われた高価な製本)
見返しとして使われ、その後「半革装」
(背と小口の角に
革を使い、表紙の半分以上に装飾紙を使用
)の表紙の
装飾紙として使われるようになりました。
また、液体の上に作った模様を紙に写し取るのではなくて、
本の小口に写し取る小口染めもあります。マーブルは
同じものは二度とできないので、複製が不可能だという
ことと、折丁
(通常、本文を数枚を一緒に折ったもの。
折丁を綴じていく
)を外すと模様が途切れてはっきり
わかることから、帳簿など不正ができないように
使われたりしました。
もちろん装飾としても小口のマーブル染めは定着しています。
 



 
 
マーブルの作り方は、国によって違うし、作家によっても
使う材料も違います。
絵の具を垂らす溶液が糊(でんぷんのりやセルロース
のりなど
)ったり、水だったり、ゴム溶液だったり。たらす
絵の具も溶液に対して浮くものを選びます。
アクリル絵の具、牛の胆汁を混ぜた水彩絵の具、油性絵の
具などなど。
もちいる道具も竹串や木に釘を一直線にたくさんさした
マーブル用の櫛などいろいろです。
これに関してはネットを検索したり、図書館などで本を
借りてみるのがいいかと思います。
 
あとは市販のマーブルキットでもある程度のものは
できます。材料がそろっているので一度ためしてみても
面白いとおもいます。世界堂やハンズ、ユザワヤなど
画材・クラフト材料店で扱っています。
 
                          
 
マーブル紙をつくるのはとっても楽しいですが、準備と
後片付けが大変です。
大量ののりをつくったり、処分したり
(下水に流しては
いけません!
)も大変ですし、なにより使い捨てなので
たくさん作らないと割りにあわなかったり。そして熟練も必要。
もちろんルリユールにはかかせない紙なので、友人の
製本家の中には自分で作っている人もたくさんいます。
日本にも教えている教室があるようなので
(私は体験しか
したことがないのでここでは紹介しませんが
)興味が
あれば調べていってみてもよいかもしれません。
 
購入なら伊東屋や竹尾でも可能ですが、値段や種類を
考えるとおすすめは名古屋の「紙の温度」
http://www.kaminoondo.co.jp/goods/index/9/index.html
ここは世界中のいろんな紙や材料、製本関係のものを
おいています。
実際お店に行くと紙好きは大興奮のお店です。
ネット販売も充実しています。
  
絵本カーニバルのことを少し。
私のやっている紅綴堂http://reliure.petit.cc/ という
製本工房で「絵本のお医者さん」「ノート・スケッチ
ブックのワークショップ」
に参加します。
詳しくは→座・高円寺のHPをご覧ください。
ワークショップが〆切が10日でしたが、まだ空きがある
ようなので、よろしければご参加ください。ノートのほうは
大人も参加できます。先日高円寺書林で開催したノート
作りに近い内容です。参加費
500円材料費300円と
結構安いのでよろしかったら遊びにおいでください。
                              内田由紀子
author:信愛書店 en=gawa, 11:39
-,
「芽も羽も萌え出づる季節」  蔦谷耕書堂  
マメに暮らすとこうも風雅なときを味わえるのか、と
季節の彩りを届けてくださる蔦谷さんの一日です。


「芽も羽も萌え出づる季節」   蔦谷耕書堂

春は萌え出づる季節。
という言葉の通りに、春というだけでいろんなものが萌え出でる。
油断していると、「別に萌え出でてくれなくても」というものまで
どんどん芽吹いてしまう。



たとえば、豆類なんかは、実が種そのものであるから、よく芽吹く。
このあいだグリーンピースを買ってきたら、パックの中で6粒が既に
芽を出していた。
私は芽が出ているものを見るといつも、それをそのまま伸ばしたく
なる。そこでこのグリーンピース6粒は食べてしまわずに、小さな
プランターに蒔いてみた。自然に発芽したくらいであるから成長は
順調だ。1週間ほどで土の上に葉を出し、4週間で10僂曚匹猟垢気
なった。そろそろ支柱を立てなくてはいけない。
また、例年通りのウカツさでじゃがいもも芽吹かせてしまったので、
これも植えておいた。



萌え出づる春、私のベランダ農地の野菜も、どんどん萌え出づる。
真冬には、寒さからその身を守るのに精いっぱい、といった感じ
だった葉が、春の日の光と暖かさで、ぐいぐい成長し始める。
冬の間、少しずつ収穫して使っていたミックスレタスの畑(単なる
プランターだが)も、日々その葉を茂らせていく。

  

ある朝、収穫したそれをむしゃむしゃ食べつつ、「もうどんどん
食べなきゃ、あっと言う間にわさわさにになるなあ」と、食卓から
ベランダを見やっていた私は、葉とは違う色のものがあるのに
気付いた。
眼鏡をかけて見ると、レタスの葉の裏に、アゲハチョウがとまって
いるのだった。
しばらく見ていたが、蝶はずっと動かずじっとしていた。
ひらひらと飛んできて、そわそわと花や葉を巡り、ほどなく去って
いく、という見慣れた姿ではない。葉の裏に、羽を下にしてひっそりと
とまっているところは、蛹から出てきて、羽を伸ばしている最中の
姿にも見える。ちょうど、越冬した蛹から、蝶が羽化する季節である。
しかし、畑を毎日見ているが蛹はなかった。だいたいモンシロチョウ
じゃあるまいし、アゲハチョウなんだから、レタスやサラダ菜に蛹を
かけたりはしない。当家のベランダには山椒も夏蜜柑もあり、
そこに蛹をかけるなら不思議はないが、そちらにも蛹はなかった。





結局、「どこかで羽化して少し飛んでここまで来たが、まだ朝で
気温が低いから思うように羽が動かせないため、葉にとまって
少し休み、気温が高くなるのを待っているのであろう」と推理し、
蝶をおどかさないよう静かに近づいて写真を撮った。
ズームすると、羽が鮮明に見えた。温かな黄と橙の色、清々しい
青灰色に、くっきりと黒。植物の若芽のように、うぶ毛さえ
まとっている。
アゲハチョウの羽も、春に芽吹くものの一つなのだなと思った、
春の朝であった。

(2009.3.27)
author:信愛書店 en=gawa, 12:42
-,
出版娘の日常;取次編
出版娘の日常 第7回 恥ずかしいのに気づいてない

先日、また取次さんにご相談に行ってきました。
本の顔、カバーは果たしてこれでよいのか? というご相談です。
ほんもののカバーを印刷してしまう前に、事務所のプリンターで印刷し、
別の本にくるっと巻いて持ち込みます。

担当者の方、本をじっと見て、くるっと回して裏を見て、ひと言。
「ずいぶん高価な本に仕上がりましたね」


見ると、本体価格のところに「16000」と!
ゼロがひとつ多いよ〜!!

本印刷に入る前に気づいていただいてよかった…。

さらに、中身をパラパラとめくりはじめたので、
「あのう、それはダミーなので、全く別の本にカバーを巻いていますよ」
と言うと。
「そうですか。…で、なぜこの本にしたんですか?」
「あ、その辺にあったものを適当に持ってきたんですが」
「そうですか…まあ、結構です」

どうして中身の本がそんなに気になるのか、そのときは緊張していたので
ギモンにも思わず退座しました。




しかし、別の取次さんにお邪魔したときも、担当者の方は同じ質問を。
「どうしてこの本を?」


緊張で手一杯だった私もさすがに気づき、帰社した後
いったいどんな本を持ってきたんだっけ?」とパラパラめくってみると、
それは『消えた殺人者たち』(ミリオン出版)という本で、惨殺死体やら
容疑者のアップやらが盛りだくさんのものなのでした

ギャー!! 編集部にあった本を適当に手に取っただけなのに、よりによってこの本を!!!

出版社最大の取引先である取次様の担当者に、ヘンな嗜好があると疑われてしまうー!!

次に顔を出すのがちょっと恥ずかしくなった、春の出来事でした。
ちなみに、どうしてそんな本があったかというと、弊社ブログで別の人間が
「あの事件を追いかけて」という連載をしているからなのでした。

(イメージ画像は編集部で作成したものですが、だらけたハマグリの
 ようにしか見えないのがう〜んイマイチ)
author:信愛書店 en=gawa, 10:38
-,
「突撃!! 取次レポート」 出版娘がゆく〜そして桂書房
 本がどのように作られ、取次店という問屋の流通網に絡めとられて

書店の棚にまで行き着くのか、無事に読者の目に届くまでを
ぎんこさんの日常からすこしだけ見せていただきましょう。

今回は飛び切りの笑顔をもって大きな営業にゆくぎんこです。

多忙な中、河津桜のすがたもちゃんと撮影する余裕が。

そうでなくちゃね!


・・・・・・   ・・・・・・   ・・・・・・

出版娘の日常 第6回


今回は「突撃!! 取次レポート」ということで(そうだったか…?)、ある日の
打ち合わせをこっそり報告してみます。
■■■■

とある取次会社に、新刊のご相談に行きました。巨大なビルの中でも、
新刊を取り扱ってくれる窓口は1つ。1日百数十冊は出る新刊を数人の
担当者が捌いています。出版社側は現物を見本として何冊かおさめなければ
なりません。私の勤める出版社が契約している取次会社は6社。
1日で全てまわるとすると、20〜30冊は持って出なければなりません。
重い荷物を抱えながら、番号札をとって待機します。

混んでいると、30分待ちは当たり前。やっと呼ばれて担当者の前に座ります。
ここから、書籍のPRタイム。資料を駆使して本の紹介をします。ここでキモと
なるのは「いかに売れる本か」…も大事ですが、むしろ「どのジャンルで、
どんな年齢層の、どんな人に向けた本か」を説明すること。前回お話しした
「本のお見合い」がうまくいくようにするためです。

大手の出版社さんは、全冊指定をとっているところも多い模様。
流通する全ての本の行き先を出版社側が決定するのです。
多くの書店をまわっていないと到底できないことであり、素晴らしいと
思います。しかし取次会社におまかせで配本していただくことによって、
思いもかけないニーズを発掘することもあるんじゃないかな、とも感じます。
そこからベストセラーの花咲くこともあるのです。

さくら

さて、汗だくで説明を終えますが、取次担当者はいたってクール。
担当者:「ふむふむ。それで、何部入れていただけますか?」
(どんなに売れなさそうな本であっても、このように優しい言葉を
使って下さいます)
ぎんこ:「全部で3000部を刷ったので、御社には1000部取り扱って
いただきたいです」
(この会話だけで、どの取次会社でお話ししているのか分かる人もいるでしょう)
担当者:「希望搬入日はいつですか?」
(取次会社に本を入れる日。そこから全国に散らばる)
ぎんこ:「4日後の●日を希望します」
(いつもの経験から、NOといわれないような日にちを恐る恐る言ってみます。
繁忙期は延長されることも)
担当者:「分かりました。2日後の●日、午前中にお電話して確定部数を
確認して下さい」
(ここでは部数は決定せず、あくまで希望部数を述べるのみ)
ぎんこ:「ありがとうございます。次回はこういう本を出したいと思っていて…」
(次の本のPRタイム。アドバイスを求め、手短に終えます)


なんとかスムーズに終了!
しかし一息ついてもいられません。全国の書店さんでほぼ一斉に発売する
ためには、当日の内に取引先の6社を全てまわる必要があります。
今日だけは、タクシーを使っていい日。コマドリのように、動き回ります。

・・・・・・   ・・・・・・   ・・・・・・

さて、コマドリのように活躍するぎんこさんですが以前に
ご紹介をしたようにミニコミの編集長でもあります。
ミニコミ『葬』の記事はこちら

このたび「つみきのいえ」と「おくりびと」がアカデミー賞を受賞した
ことは本当にうれしいニュースでした。
映画が生み出されるきっかけとなった本『納棺夫日記』は刊行されたときから

注目した作品だったので信愛書店で手に取られた方には印象に残る

1冊だったのではないでしょうか。

その桂書房がじつは1月につぎのような栄えある受賞をしていました。

梓会出版文化賞:富山市の「桂書房」、特別賞に輝く/富山

◇地方の問題に責任、地道に刊行続け−

勝山代表1人で設立、四半世紀

(毎日新聞 富山版)

今回の映画を企画した主演の本木雅弘さんも感銘を受けた
1冊の本、そして版元があらためて注目されていることに
出版文化の底力を感じて励まされたおもいです。

ぎんこさんが『葬』で取り組んでみたかったように、生と死は日常の
とても近いところに息づいていて、どちらか一方だけで世の中を
照らすわけにはゆかない、どちらもないことにするとその裏側から
とんでもないモノがたち現れて・・・・・


読みながらさまざまな思いが浮かぶ一冊。
続きは本誌をごらんください。


『葬』は信愛書店、高円寺文庫センター、茶房高円寺書林で販売しています。

author:信愛書店 en=gawa, 10:38
-,
内田由紀子の豆書林ブログ♯17  紙を染める
 紙モノ、が注目されています。
なかでも「本」は紙モノの王様ではないでしょうか。
内田由紀子さんの豆書林ブログのおかげで
これまで知らないまま手にしていた「本」のすがたが
いろいろとわかるようになりました。
読者の中には編集やデザインにかかわるかたも
いらっしゃることとおもいます。
もし記事の中で疑問の点やご意見などがありましたら
いつでも右のメールマークよりメールにてお送りください。


豆書林ブログ♯17
 
来週はいよいよ高円寺路地裏art weekがはじまります。
私も27()10()の夜に初心者向けの
製本ワークショップで参加します。
案外簡単にできますが、応用範囲はとっても広くて、
なかなか楽しいと思います。
今回は倉敷意匠計画室のワックスペーパーと関美穂子さんの
紙を使ってのノート作り。
表紙に使うものもお気に入りの紙をいろいろ用意します。
ビールのラベル古紙の再生紙や羊毛紙などなど。
参加希望の方はこちらまで reliure_benitojidou@yahoo.co.jp
 
ルリユールでは紙を選ぶこと、そして紙を染めることが
とっても大切な作業になります。
手製本のルリユールの紙は、基本的には自分で染めて作ります。
 
初めて本を作ったときは本当に大変でした。
デザインや美術の専門的な勉強をしたことがなく、顔料と染料の
違いも分からない私にはなにもかもが見よう見まね。
きれいな紙を作っている人に使っている紙や絵の具、作り方を
聞いて自分でも作ってみるの繰り返し。
神保町にある竹尾のお店に通い、たくさん紙をみたり、ハンズや
世界堂をうろついてみたり。最初の頃はアクリル絵の具を塗り重ね
すぎ、紙の厚みが3倍くらいになって、
曲げたらばりばりはがれたり‥。
 
作ったけれど使わなかった紙は500枚以上。コラージュしたり
作り直したり、ちょっとずつ消費中の日々。
 
1
 
紙染めもいろいろあるのですが、私が気に入って作っていたのは
上の写真のパッセカルトン作品で使っている「クロムコート染め」の紙です。
ルリユールを習い始めた頃、栃折久美子さんに教わりました。
栃折さんはベルギーで故ベルフロワさんに習われた技法です。
プラスチック用の染料をアルコールで溶いて、表面コーティング
してある紙(ルミナホワイトなど)に染めていきます。シンナーや
アセトンも使って、紙の表面のコーティングの下で染料を動かして
模様を作ります。
 
2
 
とってもきれいな紙が作れるのですが、画材がシンナー、
エタノール、アセトン‥。
手に入りにくいものもあるし、匂いもきついので場所も選ぶし、
なにより有害なので長時間できない、そして出来上がった紙も
傷つきやすいので扱いが本当に大変、という難点だらけの紙ですが、
その難点を補って余りあるくらい魅力ある紙が(うまくいくと)できます。
雁皮紙や塩、型染めのりやゴム糊を使って模様を作ったり、いろんな
バリエーションもあります
(一番左がゴム糊を使ったものです)
 
プラスチック染料は製本工房リーヴルで、エタノールは薬局、
アセトンは東急ハンズで購入しました。
自宅でやると次の日まで匂いが残るのと、呼吸器系が弱い私は
確実に風邪をひくので最近は余り作っていないのですが、これを
書いていたらまた作りたくなってきました。
場所さえあればいますぐにでもやりたいくらいですね。
 
25日から同じ高円寺のギャラリーノラやで「活版工房雑貨店vol.3」
という展示に少し出しますので興味のある方がいらっしゃいました
お立ち寄りください。詳しくは
HP http://reliure.petit.cc/ 
をご覧ください。
来週のワークショップでも使っていただくために何枚か持って行きます。
 
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またルリユールと切って話せないのがマーブル紙。
次回はマーブル紙をいろいろ紹介します。
 
                    内田由紀子

いよいよ来週5日から始まります。
内田さんのワークショップにぜひご参加ください!


webチラシ
 
 

author:信愛書店 en=gawa, 12:45
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28日(水)カフェ営業は6時まで◇出版娘第5回
明日28日は高円寺純情出版界1月例会があるため
カフェ営業は6時までとなります。

今回は文化通信社の星野渉さんに業界の展望を
語っていただきます。
申し込みを多数いただきましたが受付は終了していますので
また次回にご期待ください。

さて、新年になって出版娘はなにをしているか。
出版社の裏方をちょっとのぞかせていただきましょう。


出版娘の日常 第5回 

近頃、めっぽう寒くなってきましたね。

本が、でません。

いま手がけている本の校正が、なかなか進まないのです。
著者から返ってきた第2稿は、赤い紙かと思うほどギッシリ
直しが入っていて、さらに60個もの注を追加。ホントに
出陣しなきゃって感じです。泣きながらデータに直しを
入れていると、

「このままじゃいつまで経っても出版できそうにないから、
もう思い切って書店にFAXを送信してしまおう!」

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編集長の一声。

全国の書店さんに「こういう本が何月頃に出ますよ〜。
何冊入れていただけるか、返信を下さい」という情報を、
FAXで流すのです。戦略にもよりますが、出版の2〜3ヶ月
前に流すのが一般的。
「三月下旬発売」と書いて、送信しました。
こうなると、後戻りは出来ません。

さてこう書くと、返信が来た書店さんだけに本が届くような
イメージを受けるかも知れません。注文した冊数だけを届ける
本も確かにありますが(「注文扱い」)、通常、新刊は注文を
いただいていない書店にもばらまかれます(「新刊委託」)。
このたびは、一般には知られていないその辺の話題について少々。

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「新刊委託」。新しく出る本を、委託販売で取引しますよ、
という意味(そのまんまですね)。委託とは小売店が商品を置く
場所を提供し、売れたら売値の何割かを受け取れて、売れなかったら
返品も可能なシステムです。
たいして「注文扱い」は、基本的に返品ができない商品。
限定の豪華本、部数の見込めない本などについては、
こちらを採用する出版社もあります。

さて「新刊委託」を採用すると、本の問屋である取次会社が、全国から
ピックアップした書店さんに「こちらは何冊、あちらは何冊」と配送して
くれます。どんな本屋さんに配られるのかは、本の主題によって客層や
規模がマッチングするよう、独自の「配本パターン」によって決定されます。
書店と本の「お見合い」がうまくいけば、返品も少なくなる。取次会社の、
腕の見せ所です。
でも、どの本をどの本屋さんが求めているかなんて、データ上で
知るには限界があります。あらかじめ書店さんに「この本は、このくらい
欲しいです」と手を挙げてもらっていれば、助かるというもの。その挙手を
得るために、出版社はFAX送信をしたり、実際に書店さんをまわったりして、
あらかじめ注文をとり、取次会社に提出します。
提出すると、注文があったぶん+αを取次会社に搬入するように言われます。
この「+α」が、取次会社独自の「配本パターン」で全国にまかれるぶんです。
「+α」は、本によって多かったり少なかったり。提出する時には、
もう印刷してしまっているので「何万部刷りましたので、そのうちの何千部を
搬入したい」と希望は出すのですが、あんまり売れそうもない本だと
「そんなにいりません」と削られたり、逆に売れそうな本は「もっと欲しい」と
言われたり。どんな本を、何部刷ればいいか。そこを出版社がわかって
いないと、このようなズレが生じてしまいます。

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なんだか長くなってしまいました。わかりづらいところもあるかと
思いますので、次回は実際に取次会社に行ってのレポートをお伝えします!

author:信愛書店 en=gawa, 10:41
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