| BLOG TOP | 地図& en=gawa 利用案内 スケジュール |  |
検索 | RSS | ATOM |
ことしの花見はよい花見

いっときはあの川のほとりに広がるという世にもうつくしい

お花畑のそばまで行くかとおもわれたHHさんです。

 

s-IMG_9867.jpg

 

なつかしい父母そして兄姉たちが現れては見舞ってくれたと

うれしそうに話してくれた日々もありました。

なのにあれだけ世話をして尽くしたご亭主が一向に

顔も出さないとは、と薄情を嘆いて見せるのでした。

 

s-IMG_9922.jpg

 

あれから半年も経ったでしょうか、ひどい眩暈に悩まされる

こともめったになくなり、軽いスポーツリハビリメニューを

続けてきた甲斐もあって足取りも軽やかになったHHさん。

 

 

はじめはなじめなかったデイサービスでしたが、いまではお名前も

言い合える遠慮の要らないお仲間が待っていると朝からそわそわ

してお迎えを待つようになりました。

 

 

九十歳前後のお仲間はみな人生の達人ぞろい。

自慢話とも愚痴ともつかない繰言を毎週のようにおたがい

言い合ってはあきれたり慰めあったり。

 

s-IMG_9907.jpg

 

正気なのはあたし一人だけなのよ、ため息とともに

嘆いてみせるHHさん、口ごもる男性にもやさしく

声をかけたり、働き者のスタッフのお手伝いをする

余裕もできました。

 

s-IMG_9872.jpg

 

 

HHさんはそこでとてもたいせつなことを身に刻みつけた

そんなふうにみえるのでした。

とりわけ過酷なあの戦争の時代をくぐってきた年寄り同士、

ここには分かり合えるひとたちがいる、家族ともまたちがう

人生のお仲間を見つけた安心感といったものかもしれません。

 

ひたすら寝ている、呼んでも答えない(応えられない)ひと、

手づかみでしか食べられないひと、日がなクスクス笑っているひと、

人生の終わり近くになって初めて行き逢う同世代の現実でした。

 

やさしいお嫁さん、きびしすぎる娘や役に立たない息子たち。

毎日通うのは家にはねこが1匹待っているだけのひと。

これが人生、とHHさんは圧倒される思いです。

 

脳の中にぽっかりと空き室ができたようで、なにかがおかしいと

じぶんでもわかる、けれど漢字の書き取りでは満点の用紙を

手にほっとしてみたり。

でも計算がどうもあやしくなって、やはりじぶんも、と

いささか自信がなくなりそうです。

 

そんなものよ、と言い聞かせるように大好きなアイロンを

手に、糊を利かせたお気に入りのテーブルクロスを

広げる姿はまさに主婦の鑑。

 

お皿に油よごれが残ったままだっていいじゃないか、

じぶんでいっしょうけんめいに料理をして、皿洗いもして

うれしそうな笑顔が輝いています。

おおぜいのたすけてくれるひとにめぐまれて、なんでも

ひとりでできることが誇りだったころよりも、いまの

ほうがずっと幸せでうれしそう、長生きも悪くない、

身をもって教えてくれているようです。

 

きびしい冬をともに無事生き抜いた白とピンクの胡蝶蘭が

大輪の花穂をゆらしています。

author:信愛書店 en=gawa, 20:42
-,
春の知らせ レビーさん、焦らずに待ちましょう。

春の陽を受けて窓辺のカトレアの鉢もまどろんでいます。

「やらなくちゃいけない」ことが山のように押し寄せる、

長いことそんなふうにじぶんを追い立てて生きてきたHHさん。

 

努力のひと、くふうを凝らしてさまざまな困難を乗り越えて

きた、HHさんはそういじぶんがだいすきです。

 

s-IMG_8950.jpg

 

レビーさんがやってきて以来、努力しようにもからだが、こころが

言うことを聞いてくれない。

なぜこんなにやる気が起きなくなったのかしら。。。

いったいあたしはどうなっちゃうんだろう。。

 

だれもその答えはわからないんですよ、HHさん。

 

アメリカ大陸のインディアンの言い伝えでは、酋長が毎日太陽に

向かって睨みを利かせているからきちんと日が昇るのだ、という

話があったような気がします。

いや、すこしちがうかもしれないけれど、そうしてがんばる

ひとりの男がいるから世の中は回るのだというようなこと

だったようにおもいます。

 

s-IMG_8985.jpg

 

はやばやと年賀状も買い込んだし、とじぶんらしく迎えたはずの

年末だというのに、一向にペンを執ろうとはしないままに新年を

迎えてしまいました。

 

焦りがないのよ、とHHさん。

書かなくちゃ、という気が起きないの。

いいことかもしれません。

こんなじぶんではいけない、そうして一直線に猛スピードで

走ってきて、やっと一時停車のちいさな駅に降り立った、そんな

きぶんといったらいいでしょうか。

 

書きたいときに、書きたいひとにおたよりをすればいいのでは、

というと、そうね、というHHさん。

 

デイサービスのスタッフさんたちがじつにこまやかにじぶんたちの

ことを見ていてくれる、それを毎日毎日うれしそうに話します。

お正月明けにはじまるデイを心待ちにするHHさん、お仲間も

スタッフさんたちも待っていてくれる、よかったね。

 

トースターで朝のパンを焼いたら真っ黒焦げになって。。。

おまけにトースターまで焼けた跡がつくほどに。

 

サツマイモをレンジでチンして、これまたトースターで

焼け焦げてカラカラになってしまいました。

ヘンね、そんなことなかったのに。

 

ヘンになっているのはトースターではないんですよ。

 

でもだいじょうぶ、HHさんがきげんよくいてくれることが

なによりみんなをうれしくしてくれるから。

author:信愛書店 en=gawa, 21:55
-,
ひかりのにわ2017はじまって、真冬到来=!体調も下り坂、レビーさんには堪えます。

気まぐれな雪を纏ったかと思うと、街を紅葉が駆け足で

通り過ぎて行きました。

 

s-IMG_8346.jpg

s-IMG_8409.jpg

s-IMG_8583.jpg

 

だれもがおどろいて祝福してくれるほどに、日常のくらしを

取り戻したHHさんです。

世の中の不正に怒り、不幸な事件を嘆いてはわが身の

安全を感謝しながらすごしていました。

 

s-IMG_8704.jpg

 

あれほどの混乱の淵から立ち戻って、朝、昼の食事も

ひとりで用意できるようになりました。

電子レンジと湯沸しポットでくふうをすれば、得意の

ポテトサラダだっておいしく作れるようになったのですから。

 

s-IMG_8692.jpg

 

掛かりつけのお医者様、ひとりできままな外出をしたいHHさんを

そっとたしなめて、「かならず付き添うように〜」と家族に

指示をくださるのです、さすが!

 

s-IMG_8690.jpg

 

けれど、ゆるやかに老いの坂をくだってゆくHHさん。

 

s-IMG_8550.jpg

 

凍える空の下、テントウムシたちが陽のあたる外階段で

休んでいます、いっしょにこの寒さを乗り切れますように。

 

s-IMG_8648.jpg

 

画像は、大田黒公園、井の頭公園、長池公園、の風景。

西荻南児童公園のひかりのにわ2017のイルミネーションは

西荻東銀座会の企画、GreenbecksCANDLE が手がけています。

ライトアップは2017年1月末まで、どうぞお楽しみください。

author:信愛書店 en=gawa, 21:10
-,
レビーさん、ひとりでおでかけがしたい。

わが家にきたレビーさん、半年前にとつぜんあらわれて、

HHさんを混乱の渦に巻き込んでは苦しめるのでした。

 

http://img-cdn.jg.jugem.jp/b02/290739/20161124_1682204.jpg?_ga=1.242917250.1815011013.1418467234

 

はっきりしないのがいやなのね、さっさと片付けたいのよ。

それが口癖だったHHさん。

なによりおそれていたもやもやがあたまじゅう、からだじゅうを

駆け巡り、あたまがグラグラする。。。

なにも口から食べる気がしない。。

読めない、書けない、眼科に相談して検診を受けると異常なし。

 

やさしい先生は、体調が悪いときは集中力がなくなりますからね、

そういって読書好きだったHHさんを慰めてくれるのでした。

 

0歳児のように、ひとつひとつはじめからていねいにやり直して、

朝,起きたら身支度をしてご飯をたべること。

いつものようにパンとチーズ、トマト、ヨーグルトには

フルーツを入れましょう、キウイ?それともバナナ?​

 

http://img-cdn.jg.jugem.jp/b02/290739/20161111_1674788.jpg?_ga=1.242990722.1815011013.1418467234

 

すこしずつ食べられるようになり、おいしい、あら?いま

おいしい、っていったわね!

うれしそうにいうようになりました。

 

http://img-cdn.jg.jugem.jp/b02/290739/20161111_1674787.jpg?_ga=1.242990722.1815011013.1418467234

 

昭和一桁世代、いちばん輝くはずの青春を無残な戦争にひきずりこまれ、

多くのおんなたちは苦い日々をなめるようにすごしたのです。

 

http://img-cdn.jg.jugem.jp/b02/290739/20161116_1678067.jpg?_ga=1.234608414.1815011013.1418467234

 

8月15日、飛び上がって踊ったわ、そういうひともいます。

日が差しこんできたとおもっても、おんなたちの上にはまだまだ

分厚い天井が覆いかぶさっていたのでした。

 

s-IMG_8276.jpg

 

近くの公園、神代植物園、車イスで出かけたこともあったけど

いっしょうけんめいに歩く練習をし、スポーツリハビリに

精を出して、なんとか杖だけでひとり歩きができるように

なりました。

 

s-IMG_7962.jpg

 

自分の健康も鉢植えも、徹底して管理を完璧にしないと

いられない、それはまさにレビーさんに選ばれるための

十分条件であったのかもしれません、

几帳面、こだわりが強い、いくら努力してもまだまだ足りない。。

あくなき向上心、といえば聞こえがよいけれど、よくなりたい、

評価されたい、こんなもんじゃない、もっともっと。。

 

もってうまれた性格はそのひとを助けるとともに、いっぽうで

いじわるをすることもあるようにみえるのでした。

 

http://img-cdn.jg.jugem.jp/b02/290739/20161111_1674781.jpg?_ga=1.205184656.1815011013.1418467234

 

早く目が覚めたら朝焼けがとってもきれいだったわ〜

 

うつくしいものにこころがうごかされる、なによりたいせつな

やわらかいこころが息づいていることに感謝。

 

じぶんでなんでもやりたい、きっとできる。

おさなごが無茶を言い張るように、HHさんも言い募ります。

階段を下りるのもこわごわ、ひとりでバスに乗るなんてそれは

とうてい危なくて。。

それがわからないHHさんは遠くの勉強会にかってに参加を

申し込んでいました。

まわりのひとがみなしんぱいして、つきそいがあったほうが

いいんじゃないか、といってもきっぱりとことわるHHさん。

 

s-IMG_8271.jpg


そっと見守るひとがいるHHさん、しあわせの四葉のクローバーを

懸命に探すより、握った手のひらをゆっくりと開いてみたら

すぐ近くにあることに気づくかもしれません。

そうなるといいなぁ。

author:信愛書店 en=gawa, 22:25
-,
その6 レビーさんのショッピング・リハビリ。

毎月第3日曜はいつもお買い物が楽しみだったHHさん。

沼津からいつもお店を出してくれる干物屋さん、季節の

花を路上いっぱいに並べてくれる花屋さん、出来立ての

湯葉を買うのがお決まりのコースでした。

 

s-IMG_7563.jpg

 

ゆっくりと外歩きもできるようになったのですが、日曜の朝から

デイサービスにゆくようになり、あさ市のお買い物ができなくなった

ことがとにかくざんねんでならない。。HHさんのたったひとつの

嘆き節です。

 

s-IMG_7845.jpg

 

風の穏やかなお昼ころにはベランダに出て、たくさんある

花鉢の水遣りができるようになりました。

おもいついて液肥などもやったり、ひとつひとつの顔色を

みながら置き場所を移してやるなど、時間がいくらあっても

足りないほどです。

 

s-IMG_7847.jpg

 

HHさんのお得意は数々の胡蝶蘭、エビネ蘭、カトレヤでした。

レビーさんがわが家に来たあたりから、ようすがおかしい、と

かんじたのがこうした花の手入れがまったくはかどらなくなった

すがたが続いたからです。

寝食忘れて、と夢中で手入れを欠かしたことがなかったのに、

水遣りと植え替えが手につかなくなって呆然としているすがたに

さすがにふつうではないと気づかされました。

 

あれから半年、庭の主の変わりように耐えて生き残ってくれた

鉢植えだけが寒い冬を迎えようとしています。

野生種に近い東洋蘭はなんとか全員そろってHHさんを見守って

いますが、いちばん手塩にかけてきた50年来の友である

セントポーリアは水遣りがむずかしく、窓辺で元気がありません。

 

手をかけただけ応えてくれる、だからいっしょうけんめいに

お世話をしたくなるの、

そんなふうにHHさんは言うのでした。

 

花の世話や、お買い物はいちばんのリハビリです。

葉っぱに虫食いはないか、土は乾いていないか、あふれた水を

お皿から捨てるようにね、と細やかな指示が繰り出されます。

大好きなチェダーチーズ、それもイギリス産のが冷蔵庫に切れて

いないかが心配でなりません。

スーパーやデパート、専門店でもお値段調べを欠かさず、

お気に入りのあの駅前のお店でかならず買うようにしています。

商品を見る目は真剣そのもの、秋刀魚の背が丸く盛り上がって

いるものでないとね、と細っこい秋刀魚には目もくれません。

 

以前のようには腕を振るうことはかなわなくなったけれど、

トリレバーの甘辛煮をつくる、と張り切って下ごしらえを

してくれました。

おいしいおいしい、と出来上がったレバーをあやうくひとりで

平らげそうになって食べ過ぎ注意。。。です。

 

s-IMG_7911.jpg

 

ストッパー、リミッターといったブレーキが利かなくなって

しまったようで、それがしんぱいなHHさん。

ああ、こういうひとどこかにいるなぁ、かんがえてみると

こどもはみなじぶんのやりたいことばかりかんがえている

ことに思い当たります。

 

50歳になったとき、畑で取れたりっぱな大根を掲げた写真を

送ってくれて、手紙にはこうありました。

『1世紀の半分を過ごしてきたかと思うと感無量です』。

その倍に近づいてきたHHさんの人生です、だんだんおてんば

むすめだったころに戻っているのかもしれません。

 

あすは晴れ。

author:信愛書店 en=gawa, 21:40
-,
その5 柊の小径をゆく。

HHさんのつれあいは大正5年の生まれでした。

 

生きていれば99歳だったのね

 

大正4年生まれの三笠宮さまが亡くなったというニュースに

100歳、を実感したHHさんです。

 

 

すこし風が吹いているけれど、もうじき11月になるとは

おもえない温かな昼下がりに散歩に出かけたHHさん。

 

北口の女子大の周囲を何十本と数え切れないほどの

柊が生垣のように並んでいて、本日は大感謝祭!と

ばかりに咲きそろって惜しげなく甘いにおいを

ふりまいているのでした。

 

においのない花は声の悪い美人みたいじゃない、

 

HHさんの口癖です。

その伝でいえば、見えなくなるほどとおくのほうまで

こぼれんばかりに真白い花房を揺らす柊の小径は

美人コンテストのひな壇、かもしれません。

それも飛び切りの美声の。

 

その女子大で教鞭をとったこともあった、三笠宮さまを

偲んでゆっくりと甘いにおいの小径をゆきました。

 

朝早くに洗濯をして(全自動だけど)、ポテトサラダを

作ったり(塩と酢とマヨネーズを振りかけて仕上げ!)

充実した秋の1日は暮れてゆきます。

 

明日のリハビリが楽しみ、HHさん、おやすみなさい。

author:信愛書店 en=gawa, 21:58
-,
その4 レビーさんのお裁縫。

ねこたちはどうしてる?

 

毎日のように削り節を持ってねこたちの顔をみにきていた

HHさん、ご無沙汰のねこたちがきになるようす。

 

hana もHHさんがレビーさんになってから会えなくて

ちょっとさびしそう。

 

s-IMG_7764.jpg

 

ハッちゃんみたいにあそびにゆきたいな、けどおうちから

出るのもこわいし。

 

s-IMG_7775.jpg

 

HHさん、ハッちゃんがお見舞いにきてくれたとき

そっと骨ばった背中をなでてやりました。

ここ数年、体操教室にねっしんに通ったりしましたが

猫背がひどくなってきて、いっそう親しみをおぼえる

ようになったようです。

 

数日前から取り組んでいたジャージパンツのすそ上げが

出来上がっていました。

なにかはじめても途中でできなくなってしまう、そういう

じぶんがうんざりだ、と落ち込んでいたHHさん。

それが、前のようにそろった針目で仕上がりも上々、古い

裁縫箱を取り出してちゃんと針に糸を通すすがたは

主婦復活です。

 

きょうは冷蔵庫の期限切れ食品のチェックにきびしい目を

光らせていました。

(ちょっとやりすぎ)

 

真夏でも寒い寒いと長袖を2枚着た上にカーディガンを

羽織る、というほどでしたが、冷え込むようになっても

泰然としていられるようになりました。

なにが効力を奏してのかわかりませんが、確実に日々

健康を取り戻しつつあるHHさん。

 

前よりよくなっているとおもうの、とじぶんに言い

聞かせるようにHHさん。

希望の火をともすことができるのはだれなのか、

だれよりもよく知っています。

 

かんじんな風邪薬の袋が見えなくなったり、と

手品の技が上達して戸惑うこともありますが、これも

老人力が発達してきたとおもうようにしています。

実務上だいじなものはこちらが管理、それはほんの

わずかなものでしかありません。

だいじな思い出やお友達のつながり、それはだれにも

代わることができないHHさんのだいじな世界。

 

お付き合いがひと息ついて、でもなかなか本を読む

余裕は持てない日々が続きそう。

 

s-IMG_7766.jpg

 

それはひざの上にどっしりと重いねこが乗ってくるからだ、

言い訳はいつもねこのせい。

author:信愛書店 en=gawa, 21:51
-,
その3 レビーさんのおでかけ。

わが家のレビーさん、ひどい浮腫のためもあって、すっかり

歩けなくなったHHさんでしたが、試行錯誤の末にじぶんの

ちからでできることに挑戦してみようと思い立ってくれました。

 

ひたすら下り坂の迷いの道から、日当たりのよいベランダに

思い切ってでてみようかしら、大好きなフランスパンを

買いに行こうと言い出すようになりました。

 

無料のパスを更新し(もう使えないだろうとあきらめて

いたらなんとHHさん、ちゃんと更新時期を覚えていて

手続きをするように頼まれたのです!)、バスに乗って

クイーンズ伊勢丹まで行けたことも自信になったようです。

 

往復2万円ほどかかってタクシーで行った検診も

電車に挑戦、半年ぶりの総武線も昼下がりでのんびり、

心地よく揺られて満足そうなHHさんでした。

 

昼もなく夜もなく、いったいじぶんはどうなっちゃったのかしら。。

心身の不調にひたすら不安を訴えていたHHさんでしたが、

お財布を心配するのが主婦の務め、HHさんはこうして

じぶんらしくよみがえってきたように思います。

 

可愛がっていた花たちの顔が見えるように、枯れかけた

鉢植えを並べ直してせっせと水やりをしてやりました。

ベランダを片付けて通路を広くしたので、いまでは

ゆっくりと鉢の手入れをするようになりました。

(枯葉を取ってやるだけですが、それもひとしごとです)

 

なかでもお気に入りのオンシジュームがゆっくりと

花穂を伸ばしてくれて、数か月にわたってみごとに

満開となり、大輪の黄色い花が慰めてくれるようです。

 

 

ほら、おかあさ〜ん、って水を欲しがってるよ、

そういうとほんとうにうれしそうな笑顔になる

HHさん。

手を掛けただけ応えてくれる、それがうれしい。

HHさんはいつも精いっぱい愛情を注いできました。

 

うつくしいルリマツリの青い花が伸び伸びと枝を広げて

HHさんの復活を見守ってくれています。

9月末から取り組んでいるのがポインセチアの

短日栽培、時間を決めて覆いをかけてやるのが

クリスマスまでのお楽しみとなりました。

 

ひどかった両足の浮腫もやや軽くなってきて、肩の痛みも

引いたのでリハビリもすこしずつ再開できそうです。

 

ゆっくり行こうね、レビーさん。

author:信愛書店 en=gawa, 08:45
-,
その2 ごちそうさま、レビーさん。餃子定食一丁あがり!

きょうはキッチン・リハビリ・デー。

 

HHさんは前日よりレシピ本をあれこれとながめては

メニューをかんがえているようす。

 

ギョーザに決定しました。

 

ユーコさんに手伝ってもらいながら、材料をそろえます。

乾物ケースからとっておきの干しシイタケをもどすのを

わすれないでね、と下ごしらえの指示が飛びました。

 

すぐおとなりのおいしい肉屋さんで豚挽きを買って、

ねぎとゆでた白菜、もどしたシイタケを刻んだら、タネを

よく練り上げて包み込みます。

 

ユーコさんにコツを教えてあげながら慣れた手つきで次々と

きれいにできあがるギョーザたち。

 

いちばん大きなあのフライパンがいいわね!

HHさんの手で並べられるギョーザたちもかしこまっています。

きれいなこげ色のついた裏を見て、お湯を注ぐと、ジュッ!

湯気がおもいきり立ち上がったらふたをします。

 

皮が透けてきたらできあがり。

芥子を添えて、いそいそとテーブルに着きました。

熱々のおいしいギョーザたちはあっという間にHHさんの

おなかに飛び込んでゆきました。

 

しばらくして、

ギョーザには芥子ではなく、なんていったかしら、あの

辛いラー油?だったわね。

でもおいしかったからいいわ。

と満面の笑顔。

 

(安全のために日ごろはガスがつかない工夫をしています)

 

HHさんはすっかりやる気が出てきて、すそが長すぎて困って

いたジャージのパンツのすそ上げに挑戦。

お裁縫大好きだったあのころの姿に立ち戻っているのでした。

そのジャージですか?

どうもやりかけのままになっているようですが。。。

 

 

HHさん、心もちは現役主婦真っ最中。

洗濯物をたたんだり、以前より雑にはなったものの花鉢の

水遣りに、と余念がありません。

完璧をめざすことが生きがいのようだったHHさん。

さいきんはできることをゆっくりと、慎重に、ころばない

ように、と心がけています。

それなのに1週間前に畳ですべって鎖骨を骨折、やっと痛みが

引いてきました。

 

なぜおなじところで(そうなんです、3回目なのです)

転ぶのかわかったわ。

琉球畳なので畳の目が市松状に並んでいて、そのうちの

縦の目のところでいつも転ぶのよ。

 

鋭い観察眼におどろきつつ、幅広のマスキングテープを

横断歩道のように10cm間隔で貼り付けてみたところ、

うまく滑り止めになってくれました。

 

 

レビーさんが我が家にやってきたのは半年ほど前のこと。

けれど、じつは数年前からときどきやってきてはHHさんを

困らせていたことがいまになってわかってきたのです。

大鍋に作るシチューがおいしいかどうか全然わからない、

それはほんとうにおいしくできているのですが、HHさんは

かなしそうにいうのです。

料理大好きだったHHさん、かたよった食生活なんて

かんがえられない、とおもわれていました。
 

お手上げでした。

専門のお医者様にいくら相談しても味覚障害の検査結果は

異常なしと出るのです。

その間に大病もして体力が弱ってきたところに、いよいよ

レビーさんの出番となりました。

 

何も食べる気がおきない、口に入れても呑み込めない。

赤信号です。

血液検査ではとんでもない栄養不良の数値がみられました。

 

胃腸の専門医もかかりつけの大好きなお医者様もひたすら

やせ細って行くHHさんの顔を見ては頭を抱えてしまいました。

どうじに両足のこわばりとひどい浮腫(やぶれそうなムクミ)が

はじまり、整形外科のお医者様もびっくり、だれよりも

途方にくれるHHさんでした。

 

そのころに見えていたものはいまとずいぶんちがいます。

HHさんにだけに見えるいろいろな客人がありました。

なつかしいひとびとであったり、知らない人の声であったり

しました。

 

みんなが心配してお見舞いにきてくれてるのね、というと

ちょっとうれしそうにしました。

なのにあれほど尽くした夫がちっとも顔を出してくれない、

冷たいもんだわ、ということもあってあの世との交歓も

なかなかたいへんです。

 

そういう時期を過ぎて、いまでは大勢の輪の中でお茶を

楽しんだり、スポーツリハビリで体力づくりに通う

ことを楽しめるようになりました。

 

おくすりはビオフェルミンだけ、というと投薬管理の

めんどうを知る方はみなさんびっくりされますが、

たまたまどの先生方もレビーさんを知らず、そのための

処方箋もまったくなかったのが幸いだったのかも

しれません。
 

昭和一桁世代のHHさん、完璧主義で突き進んできた

あのころよりも、いまはおだやかな日々を過ごして

いるとしたらさいわいです。

課題があるとすれば、来週のキッチン・リハビリは

何を作ろうか、でしょうか。

author:信愛書店 en=gawa, 20:24
-,
ようこそ、レビーさん。その1

さまざまな顔を持つレビーさん。

 

わが家にレビーさんがやってきた、それに思い当たるまではひたすら

振り回されて試行錯誤を繰り返す毎日でした。

 

唐突に起こる体調不良、それも矢継ぎ早の症状に日がな追われて

ほっとするまもなく呼ばれるSOSに明日はどっちだ、状態となって

しまったのです。

 

いちばん戸惑っていたのはまぎれもなくレビーさん当人で、

「いったいアタシはどうなっちゃったのかしら。。。」

いまだ経験したことのない心身の不調に不安と怖れをかんじて

さぞつらい日々だったのではないかといまではおもうように

なりました。

 

絶妙なネーミングの”青春18きっぷ”、にあるようにひとは

18歳を頂点に、あとは下り坂の人生であるともいわれます。

平均年齢80余歳、これはひととしてどうなのよ、といいたく

なるほどの余生をいかにすごすか、それが哲学と宗教の

はじまりかもしれません。

 

 

ある友人が遠い実家に久しぶりに帰った時のこと、

「父親が宇宙人になっていた。。。」とつぶやきました。

わかります、とても。

 

たくさんの(!)を覚えながらも、しかたなくしごとの

待っている東京行きの列車に乗るしかない、たくさんの

かたがおなじ経験をされていることでしょう。

 

ひとの数だけ人生があり、病があって、それに合わせて

介護やケアがあります。

マッチングの妙によって、「余生」が穏やかであれば

本人、そして周囲の人々が特別な贈りもの、『ギフト』を

受け取ることができるのではないか、そうおもいます。

 

ようこそ、レビーさん。

これは私たちの近未来です。

明るい日差しがありますように、祈ります。

author:信愛書店 en=gawa, 23:21
-,