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「東京都青少年健全育成条例改正案 可決」なわけだがそれはそれとして
・なんかこんがらがったまんまあっというまに
 きまっちゃったかんじであとあじわるいにゃ



本屋のねこという立場からみてドットくんはいいます。
いったい本屋の店頭で成人コミックがどのように
販売されているのか、都議会総務委員会の委員は
その現場を見ているのかにゃ、と。

おおかたの街の書店は近所のPTAから指摘を受けて
扱いを縮小したり、まったく置かないなどしてきました。
本屋は文化事業に近いといった扱いをされてきた
こともあって、PTA会長を引き受ける書店主もあり
当然その店頭からはアダルト系の雑誌やコミックは
排除されました。

『文化』とか『表現の自由』とかいう論点は絵空事で
あたまを飛び越えたまま。



今回条例案が可決されそうだ、と問題になったとき
書店側ではうごきが見えませんでした。
この問題に敏感でない、というよりもそもそも店で
販売していないからであって、成人マークのものは
コミック専門店でなければ置いていないのが実情に
近いのです。

信愛書店ではじつはこの成人コミックとアダルト雑誌が
充実していることでも知られてきました。
"健全な青少年”が成人コーナーに無邪気に近づいて
まじまじと棚を眺めていたりすることがありますが、すこし
だけ大人の世界を覗き見ることは人生を味わう際のスパイス
でもある、とかんがえています。

右奥に成人コーナー、左奥に岩波文庫。
バランスがだいじだ、とご理解をいただいています。

              

表現の自由を訴えるならば、それはまず作品で堂々と
表出するのが筋ではないでしょうか。
叩かれても叩かれてもそうしてエロマンガは生き延びて
きましたが、ここにきてさすがにその体力がなくなって
きた、と業界で言われています。

手作りの、そしてまたwebmagazineとしてあらたな
展開をしてゆくなど、たくましく乗り越えてゆくのではない
かとおもいますが。

そしてこの条例の件を報道するさいに、問題点が錯綜して
論点がわかりにくいまま委員会で可決されたことが残念です。

道徳、倫理を標榜するならば、言葉でもって個人や
アジアの他国を貶め、傷つけるようなおそまつな人間を
都知事にしておくほうがよほど恥ずかしいことといわなくては
ならないでしょう。

選び続けてきた都民の人権感覚が鈍いことのほうが
深刻な問題だとおもうのです。
表現の自由、知る権利、とは弱者の立場を守るために
掲げられるものであって、権力と富を持ったものが
自らのために行使するのはまちがっています。

個人がもっとも弱く、また一方で逆説的に最強でも
ありうることがwikileaksのジュリアン・アサンジ氏が
教えてくれたことではないでしょうか。
筋の通った理念があること、彼の故国がそれを理解し
共鳴することに驚きをかんじ、対してこの国のマスコミが
ほぼ無視に近い対応をしていることにため息が出ます。

いつまでたっても茂みに絡め取られているとあぶない。
自分の道はしっかり見据えて切り拓かないとね。
author:信愛書店 en=gawa, 12:50
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