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メールマガジン 高円寺電子書林 009号目次紹介&巻頭特集○小野 洋 緊急提言レポート 福島の親子にみみをすます─「明石であそぼう! たこ焼きキャンプ」から〜ひとりでも多くの方に読んでいただきたいので全文掲載いたします。

たいへんお待たせいたしました。
メルマガ009号を年内に配信することができましたが、早々と
原稿を送ってくださっていたタミオーさんはじめ著者のみなさま
には申し訳ありませんでした。

今号は2012年の最終にあたり、巻頭特集として「福島の子どもを
招きたい! 明石プロジェクト」代表の小野洋さんに今年の夏の
保養キャンプをめぐるさまざまな経験、そしてそのなかで支援を
する立場としてどのように考えを深めてこられたかなどについて
文を寄せていただいています。

福島を中心とした広い範囲で、いまだに健康に不安を抱きながら
暮らす多くの人びとがいるということを報道で知りながらもいったい
なにができるだろうか、と立ちすくんでしまいそうですが、小野さん
たちの粘り強い支援活動を知ることを通してかえって励ましを与えて
いただいたようなおもいです。

まだまだこれから長い年月とのつきあい、闘いが待っています。
自治体や政治の大きな支援も当然必要ですが、ごくふつうの市民
である私たちができることはいま頑張っている支援団体を応援する
こと、その活動を多くのひとに知らせることではないでしょうか。

信頼できる情報、そしてひとのネットワークをメルマガを通して
つないでゆければ編集部としてうれしくおもいます。
小野さんの活動については文末にHPなどが掲載されていますので
ぜひそちらもごらんください。

そして、ほかの連載読み物の執筆陣も寒さを吹っ飛ばしてくれる
いきおいでホンネ炸裂!ぜひ本編はメルマガ登録をしてゆっくりと
ごらんください。
登録は最下段に案内があります。

それでは小野さんの了解をいただいて、特集を全文、ここに掲載
いたしましたのでご精読ください。
ご感想など、メールまたはtwitterで頂戴できればさいわいです。
 

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 ○メールマガジン○

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 ○高円寺電子書林○

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  2012 >>> Dec.

  vol. >>> 009

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  活字本にまつわるしごとをしてきた本好きなメンバーがあつまって、

201110月に創刊した『高円寺電子書林』。

 デザイン、編集、校正、ライター、流通、新刊と古本の販売など、

それぞれの経験を活かして、あらたな読み物を無料のメールマガジンと

いうかたちでお送りしています。

 

 *公式ツイッター : http://twitter.com/densho_k

 

 ━【目次】━━━━━━

 

 ■緊急提言レポート

 

 福島の親子にみみをすます

 

 ──「明石であそぼう! たこ焼きキャンプ」から

 ○小野 洋

 (福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト 代表)

    ◇ ◇ ◇ ◇

 連載●──

 

■コラム

 

酒場の名人

──(8)無礼者を躊躇なく叱る飲兵衛 篇

 ○大竹 聡

 

 ■書評

 

女の人と和解するための読書

──(6)『整体入門』の巻・上

 ○渡邉裕之

 

 ■エッセイ

 

ありがちアジアなり

──南米シャーマン 編

  アヤワスカという植物でトリップしてみた

 ○タミオー

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 ◎イベント情報

 ◎編集後記

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■緊急提言レポート

 

 

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 福島の親子にみみをすます

 ──「明石であそぼう! たこ焼きキャンプ」から

  ………………………

 小野 洋

 (福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト 代表)

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 昨年(2011年)の夏に引き続き、今年(2012年)も福島県内の子どもたち30名、保護者4名を招いて、2週間にわたる保養キャンプをおこないました。

 

 保養キャンプは、放射線量の高い地域に住む子どもたちの被曝を減らし、体内に取り込まれた放射性物質を排出させ、野外で思い切り遊ぶことなどを通して子どもたちの健康を回復させようという目的で、被災地を離れておこなわれるキャンプです。

 チェルノブイリ原子力発電所事故から26年経ったベラルーシ共和国では、今も国家的プロジェクトとして保養キャンプが実施されています。

 東日本大震災後、日本各地でも多数の市民団体などが保養キャンプをおこなうようになりました。

 私たち「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」は今年、727日から89日まで兵庫県明石市と佐用郡佐用町の2か所で、「明石であそぼう!たこ焼きキャンプ〜今年は佐用も! しかコロキャンプ」(注1)という名前で実施しました。

 

──注●「しかコロ」というのは、佐用町の商工会青年部の方たちが、2009年の大水害からの復興を目指して町おこしのために開発した商品「しかコロッケ」のことです。郷土の食材である鹿肉を使っています。今年のキャンプ名には、佐用町の方たちの多大な協力に感謝する思いも込めて、こうした長い名前をつけました。

 

 ◆たくさんの支援とご協力を得て

 

 今年は昨年の突貫工事のような準備を避け、半年以上もかけて準備を進めてきたのですが、しなければならないことが本当に多くて、資金集めや協力団体への連絡、ボランティアさんたちとの打ち合わせ、プログラムの準備などを直前まで忙しくこなす日々が続きました。

 しかしながら、多くの方々の熱心なご協力により、キャンプはスムーズに進み、子どもたちも充実した時間を過ごすことができました。

 

  明石では、歓迎会やお好み焼きづくり、小学校のプールを借りきっての水遊び、明石公園での夏祭り、市役所訪問、魚の棚や天文台見学などを楽しむことがで き、佐用町では、幼稚園や小学校での交流会、川遊び、西はりま天文台や昆虫館の見学などが、地元団体のご協力で実施できました。

 とくに佐用町では、町が宿泊施設を無償で提供してくださり、商工会青年部のみなさんが「しかコロッケ」や「ホルモン焼きうどん」の炊き出しをしてくださるなど、絶大な支援を受けることができました。食材に地元の有機野菜も届きました。

 

 子どもたちのお世話をしてくださったボランティアの方たちも、昨年から引き続いての方が多く、こちらの指示がなくてもすばらしい働きをしてくれました。

 心配だった会計も、寄付は予想より多く集まり、支援イベントで資金を集めてくださる方が次々に現れ、スタッフもたこ焼きの屋台で資金作りに努めたりして、十分な資金を集めることができました。300枚作った支援Tシャツも、多くの方に購入していただくことができました。

 

 ◆去年とは違う、子どもたち

 

  去年と違って今回は、期間の前半、熱中症になったり、やけどに近いような日焼けをしてしまう子がいて、今年の異常な暑さだけでなく、ふだん野外にあまり出 ていないことによる影響、あるいは放射線による影響なのかと考えさせられたりしましたが、期間後半は元気を取り戻し、夏祭りには全員参加することができま した。保護者の方からも、「たくましくなって帰ってきた」という声をいただきました。

 やけどのような日焼けをし、熱中症になりかけた子どもたちですが、アンケートでは、川遊びや川での釣り、プール遊び、日中の野外での夏祭りなど、屋外の行事が「楽しかったこと」の上位を占めていました。

 夏祭りでは、子どもたちが作った「みこし」が練り歩き、昨年は食べるだけだったたこ焼きの屋台で、子どもたちが焼き手として活躍していました。ダンスグループの若者たちの指導でたった一日で仕上がった子どもたちのダンスも披露されました。

 

 それから、今年の特徴として、子どもも付き添いの親御さんも、マスコミの取材にまったく臆することなくうけ答えてしてくれた、ということがあります。

 新聞、ラジオ、テレビの取材があり、どちらかといえばシャイなお母さんたちが不愉快な思いをしないか、子どもたちもどんな話をするのだろうか、と心配していたのですが、お母さんたちも自分のことばで福島の状況がよくわかるように話してくださったので、ほっとしました。

 子どもたちに至っては、大人顔負けなくらい堂々と放射能検知器の説明をしたり、ふだんの生活の話をしたりするのを、後日オンエアされたラジオ番組で聞いてびっくりしました。

 そうと決めていたわけではないのですが、キャンプ期間中に放射能や原発事故の話を子どもたちとすることは本当にまれで、ここまで話ができるとは思っていなかったのです。

  2週間のキャンプを終え、帰りのバスの中の子どもたちの様子を見るだけでも、今年の「たこ焼きキャンプ〜しかコロキャンプ」が参加した子どもたちにとってどんなキャンプだったか、じゅうぶんわかるように思えたものです。

 スムーズにいった初日の明石へ向かう行きのバスとは違い、途中渋滞に巻き込まれ、15時間もの長旅となりましたが、子どもたちは元気で、深夜11時すぎの福島到着まで、DVD鑑賞やゲーム大会、カラオケなどに興じていました。

 「いっそ日付が変わればいいのに。キャンプがもう一日のびたことになるから」

 「帰りたくない! これからお母さんを連れて明石に戻りたい!」

 と言っていた子までいました。

 福島に着き親御さんたちに迎えられて、いよいよそれぞれの自宅に帰る別れ際は、昨年の第1回キャンプでは“今生の別れ”のような涙、涙の別れになったのですが、今回はスタッフに対しても子どもたちどうしでも、「またね!」とニコニコ笑顔のお別れでした。きっとまた会える、という子どもたちの信頼の重さを胸にずしんと感じる帰路でした。

 

   ◆リピーターをだいじにしたい

 

  そうなった理由の一つは、参加者のほぼ8割が昨年のリピーターだったことですが、それだけではなく、前回のキャンプが終わってからも、参加者との交流を続けてきたことにあると考えています。

 昨年の12月には、スタッフが福島に出かけ、一泊二日で参加者の子どもたち・親御さんたちと交流する「同窓会」を実施して交流を深めました。

 また、キャンプ終了直後から、翌年のキャンプに向けた準備の様子や、関西での福島支援の取り組みの様子などを定期的に発信し、参加者の家族に、「私たちは福島のことを忘れていない!」と発信し続けてきました。

 日常的な子育ての悩み相談などもふくめて、スタッフが親御さんたちとメールのやりとりをすることも、まれではありません。

  親御さんのキャンプの感想も、昨年は、「遠く離れた関西で、私たちのことを応援してくれる人たちがたくさんいることに感謝しています」というものが多かったのですが、今年は、帰ってきてからの様子として、こんな文章もありました。

 

  《去年のキャンプ後は、しばらくはボーと何も手つかずで、さみしさのあまり、キャンプの様子はあまり話をしてくれませんでしたが、今年は、あんなことやこ んなことをしたと、とっても嬉しそうに話をしてくれました。「さみしくない?」と聞いたら、「また会えるもん」と答え、ニコニコしていました。》

 

 《娘は、ボランティアの方々、マスター(注2)含めスタッフの方々を身内のように思っていて、毎年、夏休みになれば、会えるものだと思っています。クラスの友達のことを話すように、キャンプに参加したお友達のこと、スタッフの方々のことを、色々話してくれました。》

 

──注●「マスター」は小野のキャンプネーム。参加するほとんどの親子は、この名前で私を呼んでいます。

 

 《去年も参加しましたが、今年も帰ってくるなり「また来年も行きたい−。」と何度も言っていました。》

 

  今年のキャンプになるべくリピーターを優先して来てもらう、ということについては、募集の直前までスタッフのあいだで何度も話し合いました。もっと公平 に、新しい参加者を募集すべきではないか、という意見もあったのですが、一定の人たちとつながり続けるという意味で、今年はとりあえずリピーターをだいじ にしていこうという結論になりました。

  実際、保護者のアンケートには、「長期の休みごとにいろいろなキャンプに子どもを参加させているが、そこで一度友達になった子と二度と会えない」、「行く たびに新しいメンバーやスタッフに慣れなければならず、子どもにストレスがたまる」、などの声があり、同じ顔ぶれで繰り返し受け入れることの重要性が確認 されました。

  他方で、《こんなにステキなキャンプだからこそ一度も参加したことのない他のお子さんに……と思います。実際、何か所か問い合わせたけどダメだった……と いう方が周りにたくさんいます。夏休み中、ずっと家の中でゲームをしていた、とも聞きます。》という親御さんの声もありました。その謙虚さとともに、放射 能の中で暮らさなければならない親の苦しみをあらためて感じました。

 だからこそ、今後も、まるで遠くにある親戚の家に遊びに来るような感覚で参加できる保養キャンプが増えていくことを願わずにはいられません。

 

 ◆被災者の声にみみをすます

 

 

  昨年のたこ焼きキャンプの実施を機に、たくさんの福島の人たちと出会い、話を聞いてきました。

 たこ焼きキャンプ参加の保護者をはじめ、何人かの親御さんとは、幸いなことにとても親しく交流する機会を持ちました。

 その中で、福島(広くは放射線量が高い周辺地域もふくめて)で子どもを育てることがどんなにたいへんなことかも、うかがい知ることができました。

  震災から1年半以上経った今も、何一つ改善されていない状況が続いています。

 除染は簡単にはすすみません。この夏、福島県内の多くの小学校でプールが再開されましたが、許容される基準の0.25μSv(こ れ自体も安全とはいえない)まで下げるため、保護者を動員して何度も除染したり、なかなか下がらないプールではグラインダーでコンクリートを削ったり、と うとうプールに鉄板と人工芝を敷いたりした学校もあったと聞きました。(こんなことまでして子どもをプールに入れないといけないという現実!)

 福島市内に住むある方の家では、空間放射線量が、自宅前の玄関で0.75μSv、庭で1.17μSv、飯館村の方角を向く物置のタレ流しのたまり水は、なんと31μSvあるそうです(いずれも地上1メートルで計測)。こんな家でも、除染の順番がまだまわってきていません。

  そんな状態であるのに、福島県全体として、もう復興に向かいたいという雰囲気が強く、あちこちで野外のイベントがおこなわれ、「まるで子どもをむりやり野外に出すためにやっているみたいだ」、という親御さんの声も聞きました。

  地域行政は人口を流出させたくない、政府や御用学者はできるだけ被害を小さく見せたい、という意図があって「平常モード」を演出していますが、福島に住み 続けることを決めた人たちが、もう放射能の心配をするのがしんどい、もうそうした話は聞きたくない、と耳をふさいでしまう気持ちをもつことは、人としてむ りのないようにも思います。

  できるだけ安全な食べ物を子どもに用意する、野外での遊びを制限する、夏休みなどに保養キャンプに参加させる、などの子どもを放射能から守るための努力を 続けている親は、それだけでもたいへんなのに、そうした悩みを相談できる相手が少ない、保養の話をしただけでまわりからプレッシャーをかけられる、などの つらさが畳み掛けてきます。

 今年の夏休み以降に話をした親たちの多くが、「もう疲れてきました」と言いました。

 みみをすませるほどに身を切られるような思いがし、「夏休みだけキャンプをする今の取り組みだけで満足していいのか」と、自分の中に疑問がわきあがってきます

 


 このような状況が放置されているにもかかわらず、何もなかったかのように原発を再稼働し、経済効率のみを優先して弱者のいのちをないがしろにしようとする社会の動きがあることに、深い危機感と怒りを感じています。

 今のこの状況をつくった責任がある政府、電力会社、財界、そして大人である私たち一人ひとりが、状況をきちんと見つめ、被災者の声にみみをすまし、何をすべきか考えていく必要があると思っています。

 

 ◆新たな動きが、全国で、福島で始まっている

 

 福島に残り、あるいは福島から避難して、子どもたちを放射能から守るために活動している人たちとも出会いました。

 ある方は、小さな娘さんをふくむ家族を関西に避難させ、ご自分は福島に残って、保養キャンプを行政に取り組んでもらうために働きがけをし、国会に行ってロビー活動をし、といったさまざまな活動を精力的にしています。

 しかし、彼自身も被災者なのです。今後どうやって生活していくのかといった悩みもつきません。

 そして何より、3歳というもっともかわいい盛りの娘さんと、年に何回も会うことができないという苦しみは、楽しく恵まれた子育てを父親として経験させてもらった僕にとってもっとも切なく感じることです。

  またある方は、原発事故の直後に避難し、今は県外で避難者の支援や保養キャンプに取り組み、福島で避難したいと思いながら事情があって足を踏み出せない人 たちの相談に乗る活動を、地道に続けています。避難することをめぐって夫婦の対立になり、離婚して子連れで避難するという生活を続けながらです。

   「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」代表の佐藤幸子さんも、長年福島の豊かな大地で続けてきた農的な暮らしをあきらめ、福島の子どものため、 原発を止めるための活動にいのちを燃やしています。佐藤さんもまた、お子さんたちがいて、親としての当然の悩みを抱えながらです。

 そうした方たちも参加して、今、さまざまな動きが全国で、福島で始まっています。

  一つめは、この9月に発足した、保養や避難の支援団体をつなぐネットワーク「311全国受け入れ協議会」です。今年2月に福島でおこなわれた「放射能からいのちを守る全国サミット」の流れを受けて、継続的なネットワークとして活動しています。

 団体の交流や情報交換だけでなく、現地での親向けの相談会や、保養キャンプを紹介するホームページの運営、保養キャンプの経験蓄積のための資料収集などに取り組んでいます。

 現在二十数団体が正規のメンバーとして加入し、私たち「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」も参加させてもらっています。

  ☆ 311全国受け入れ協議会ホームページ http://www.311ukeire.net/

 二つめは、今年6月に国会で成立した「原発事故 子ども・被災者支援法」(注3)にもとづく実際の施策に市民の声を反映させるべく、被災者団体、支援団体、弁護士のグループなどが合同で立ち上げた「原発事故 子ども・被災者支援法 市民会議」です。

 

 ──注 正式名称は「東京電力原子力事故により被災した子どもをはじめとする住民等の生活を守り支えるための被災者の生活支援等に関する施策の推進に関する法律」。

   この支援法が成立したこと自体は、とても画期的なことなのですが、現実に予算を動かして被災者と子どもの支援をしていく枠組みは、まだできていません。当 事者に寄り添った支援を実現するためには、被災した福島の当事者もふくめた市民からの国への働きかけが欠かせません。

 支援法自体は、理念法としてすばらしい内容を持っているので、ぜひ多くの方に知ってほしいと思っています。

 

  ☆ 原発事故 子ども・被災者支援法 市民会議ホームページ http://shiminkaigi.jimdo.com/

 

  ◆市民が開設した「ふくしま共同診療所」

 

  そして三つめが、このほど福島に開設された「ふくしま共同診療所」です。

 福島県によっておこなわれている子どもたちへの甲状腺検査では、結節やのう胞が発見されても、大半が二次検査は不要とされてしまっています。

  低線量被曝の不安を抱える保護者が、一般の病院に体調不良の子どもを連れて行っても、たいていが「心配ありません」ですまされてしまい、多くの親が、病院 に対して不信感を抱いています。そして、他県の病院にセカンドオピニオンを求めて駆け込んでも、福島医大から「セカンドオピニオンは必要ない」という圧力 が医師会を通じてかけられていて、診察を拒否されることもまれではないといいます。

  そうした不安を抱える親子の心のよりどころとなるような病院として、「ふくしま共同診療所」を建設する運動が始まり、この12月に市民からの寄付金によって開設されたのです。

  そうした動き以外にも、福島に住み続ける母親たちが、自分たちでグループを立ち上げた例もあります。郡山市にある「安心・安全・アクション in 郡山」は、自前の交流スペースを持ち、その場所で安全な野菜の販売や、食品の放射能検査、さまざまな会合や保養相談会の窓口といった活動をしています。

  ☆ 安心・安全・アクション in 郡山(3a)ホームページ http://aaa3a.jp/

  このような親御さんたちをはじめとする当事者の活動が盛んになり、そうした動きと支援者がつながることで、福島での閉塞状況を打ちやぶる一つのきっかけが生まれるのではないか、と考えています。

 

 ◆福島の親子とつながり続けていくために

 

  昨年の夏から、保養キャンプなどを通して福島の問題と向き合い、何をしたらいいのか、と常に考えてきました。

 最初はとにかく一分一秒でも、子どもたちを放射能から遠ざけたい、できれば避難を、という思いでしたが、今は、こうした苦難の中にいる親子ととにかくつながり続けることがいちばん大切なのではないかと思うようになりました。

 そんな悠長なことでいいのか、と問いかける声は、もちろん自分の中にもあります。

 しかし、「このままここで暮らしていていいのか」という、もっと深い葛藤の中にいる福島の親子とつながり続けていくために、「たこ焼きキャンプ」を継続していくことは非常に大切だと思っています。──キャンプに参加した親御さんからの、次のような声に応えるためにも。

  《娘は福島生まれということだけで、お嫁に行けないかもしれないと考えることもあります。そんな暗い気持ちを忘れ、親子で夏休みらしい思い出をつくらせてもらいました。福島での暮らしを頑張る気力をもらいました。》

   《福島と兵庫、こんなに遠い所なのに、応援してくれる方々の心は、すぐそばにあるような気がして、心強いです。福島にいることを考えすぎると心が折れそう になります。そんな時に必ず、ブログを見て勇気をもらいます。懐かしく、去年のものも見たりして、笑い、涙し、モチベーションを上げます。

 私自身の大げさですが、命綱です。》

 

 

 

◎福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト

 メール : takocamp@gmail.com

 電話 : 090-9871-1419

 ホームページ : http://www3.to/takocamp

 ブログ : http://takocamp.exblog.jp/

 

 

【拡散希望】

 この記事は、執筆者の了承の下、転載自由といたします。

 みなさま、ぜひ拡散してください。──編集部

 

 

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◆小野 洋(おの・ひろし)

「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」代表

 

子育て支援や子どもの自然体験などに取り組む「スロースペース・ラミ」代表。

1960年福島県生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)卒業後、神奈川県で中学教員を経験。

阪神淡路大震災の後、神戸で誕生したフリースクール「ラミ中学校」のスタッフに。

パートナー、14歳の息子+猫1匹が家族。最近の特技は、会議やシンポジウムの司会進行役。

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   (メルマガ編集長北條さんの新刊が出ました〜!)

 

 

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■編集後記

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 めっきり寒くなりました。今年は例年より、冬の訪れが早いような気がします。

 高円寺電子書林、前回の配信から相当な間隔が空いてしまいました。まずその点につきまして、お詫びを申し上げます。たいへん申し訳ありません。

 今回は、「福島の子どもを招きたい! 明石プロジェクト」の代表・小野洋さんから、ズシリと重い手ごたえのある原稿をいただきました。2011年に引き続き、2回目となった保養キャンプのレポートと、福島の子供たち、親御さんたちが今も直面している現状、そこから起こされたアクションなどについて、詳細に書かれています。長いテキストになりますが、どうか時間をかけてゆっくりとお読みいただきたいと思います。

 連載原稿も、回を重ねた結果なのか、いずれの原稿も、今までより一つアクセルを踏み込んだカタチになっており、奇しくもそれぞれの書き手のパーソナリティに近づいた内容がお楽しみいただけると思います。

 すべて自信を持ってお届けする内容です。どうか温かい場所で、温かい飲みものなどと一緒に、ぜひどうぞ。

 

 

【お知らせ】

 

 私ごとでたいへん恐縮ではありますが、編集を担当した本と、著者として書かせていただいた本がどちらも1212日(水)に発売となります。前者は、当メルマガでもおなじみ・島田潤一郎さんの夏葉社から刊行される『冬の本』。実に84名もの方々に、「冬」と「本」をめぐるエッセイを綴っていただいた本です。後者は『わたしのブックストア』(アスペクト)で、個人経営の新刊書店や古書店など、全国の小さくてキラリと光る本屋さんを取材して歩いた本になります。

 書店等で見かけることがありましたら、ぜひお手に取ってみてください。

 

 

 ──「高円寺電子書林」編集長:北條一浩

 

 

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author:信愛書店 en=gawa, 21:00
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