| BLOG TOP | 地図& en=gawa 利用案内 スケジュール |  |
検索 | RSS | ATOM |
・メンバーから皆さまへ・メルマガ高円寺電子書林、終了に当たってのごあいさつ文を掲載しました。
メルマガの最終号は10161:00AMに配信されて、編集部のしごとは
これで終了となりました。あの311日を受けて、「情報発信⇔受け手」
としてしごとをしてきたものとして、これまでとちがう一歩を踏み出したい
と強く願ったことからこのメルマガ企画は実現したのでした。

編集作業は5名で担当してきましたが、連載してくださった大竹聡さん、
タミオーさん、森哲平さん、そして単発記事を心を込めて書き上げて
くださった多彩な著者のかたにお世話になったことをおもうとなかなか
ありえないぜいたくなマガジンでありました。

全国にわたる書き手のかたにはお会いする機会もないまま、メールでの
原稿のやり取りのみのかたもありました。
いつか、世俗のしごとから足を洗うことができたときは、こうして
ご縁のあったかたの住む町へ出向いてみたい、そしてそこで眺める
空がどのような色なのか、この眼で見てみたいとおもっています。
鹿児島から岩手まで、またアメリカから寄稿してくださったみなさま
いつかお会いしたいです!

最終号までおつきあいくださった編集メンバーより、読者のみなさまへの
ごあいさつをここに掲載いたします。
こういうひとが作っていたのか!と興味を持たれたかたは、10月末まで
web
上でバックナンバー全編をごらんいただけます。
⇒ BNアーカイブ

それ以降はあとかたもなく消えてしまいますので、お気に入りの
テキストは個人的にコピーしていただいてもけっこうです。
著作権はそれぞれの著者にありますので、その点をご留意ください。


s-DSCN8968.jpg


・・・・・・・・

最終17号の目次から

contents..............

【エッセイ】
ありがちアジアなり
〜上海編〜
ナントカなった『tamioo日記』の上海印刷話。
──タミオー

【書評】
女の人と和解するための読書(12
『釜ヶ崎語彙集1972-1973』の巻
──渡邉裕之

【コラム】
ツキイチジャーナル
月曜日には僕は行かない
──北條一浩

・メンバーから皆さまへ・

──────────

高円寺電子書林、今回が最終号となりました。
特集を組んでみたり、連載をお願いしたり、その時々でさまざまなスタイル
を試みてきました。メールマガジンという媒体に関与するにあたって、
少なくとも僕自身には明確な方針があったわけではありません。

3.11
の震災からまだ日も浅く、そのあとの言説を、写真やイラストなど
ビジュアル要素なしで、言葉だけで構成してみたい、という漠然とした思い
はあったと思います。それぞれのメンバーがその時々で出会った、もしくは
交流していた人から原稿をいただき、それを皆で読み、僭越ながら意見を
述べて手直ししていただくこともあり、そうして毎回、数本の記事を並べ
ました。

「1つの記事が長すぎる」。おそらく、最も多く指摘された批判はこれです。
それはメルマガとしては致命的だ、という意見もあり、しかしそれはそれで
特長でもあることから、「長くてかまわない」と半ば開き直って継続して
いきました。

茶房高円寺書林が発行するメルマガだから、「高円寺」をテーマにしたら
どうか。どういうわけか、誰もそうは考えませんでした。書店発、という
ことで、書評や出版文化に関する記事を中心にすべし、という考えはあった
と思います。しかし、そうもならなかった。そういうものとは違う、なにか
別の性格を持ったものにしたい、という、あいまいな欲があった。その
あいまいさは弱さであり、核心=確信のなさでもありました。

結果、なにかちょっとよくわからない、いったい何のメルマガなの?
と聞かれてもうまく回答できない媒体として、発行の回数を重ねてきました。
そこを面白がってくれる人がいて、一切の利益を生まない、無料メルマガを
2
年、続けることができたわけです。

でも、その「あいまいさ」は、そろそろ終わりにしなければと考えました。
なにものでもない、というエクスキューズの時代から、たとえ誤解があっても
「○○をやっています」と看板を出せるところへ移行しなければ嘘である。
そう思いました。

このあと、なにか別の展開があるのかどうか、今はまったくわかりません。
これまで読んでくださった方々、求めに応じて原稿を寄せてくださった方々
に深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。願わくばそれぞれの
テキストが、また別の機会、別の文脈で読まれたり、誰かの記憶に残ったり、
書かれた方にとっての指針となったり、そうした息の長さとともにあります
ように。

─ 高円寺電子書林 編集長 北條一浩

 

 s-DSCN8969.jpg


   *   *   *



北條さんと私の原稿でわかるように、大西さん含む編集部男組は、9月末に
関西にいた。そんなつもりはなかったのだが、結果的に卒業旅行みたいに
なってしまった。
高田さんも原田さんにも来て欲しかったが、高円寺書林で最後の乾杯が
できたから、まあいいですよね。
700名の読者の方々、本当にありがとうございました。また新たなメディア
を考えたいので、どこかでお会いできることを楽しみにしています!

 ──編集担当 渡邉裕之


   *   *   *

渋谷、新宿はちょっと苦手、池袋までくるとほっとして。そんなふうに
東京の西側とあまりご縁がなくて過ごしてきたから、「ちゅーおーせん」
はアウェーで私はビジターだった。今年の春からメルマガに参加させて
いただいて、ほぼ毎月高円寺に通うようになった。だから、高円寺の
まちは私にとっての最初の「ちゅーおーせん」への入口で、「高円寺電子
書林」のメンバーは初めてできた「ちゅーおーせん」の仲間だ。

それぞれが個々の事情を抱えながら、それでも時間をやりくりして
集まった編集会議。
その貴重な時間を共有できたことはとても幸せなことだった。編集会議の
場となった「茶房 高円寺書林」への道は、まちの内側へ、あたたかい場所
へと、けもの道のように私を導いた。

見習いのつもりで、まごまごしているうちにメルマガの休刊にいたった、
というのが正直なところで……。推進力にはなれなかったけれど、こんな
みそっかすな私をあたたかく受け入れてくれた「高円寺電子書林」の
メンバーに感謝します。
そして、700名もの読者のみなさまに御礼申し上げます。
ありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。

 ──情報欄担当 高田雅子


   *   *   *

「茶房 高円寺書林」での編集会議のあと、私たちは高円寺でじつによく
飲んだ。いや、よく飲んだのは酔っ払い担当の編集・ワタナベさんと
校正・オーニシです。われらが編集長・ホージョーさんと紅一点・タカダ
さんはきっぱりとした下戸。しかし編集長は仕事柄、じつによく飲み屋を
(も)知っている。4人で、ときに男3人で、ふらふらと入ったお店は数
あれど、ついまた足を運んでしまうのは、たとえばこんなラプソディー。

「かみや」……引き戸を開けるとそこは旅先の地元の居酒屋さん。
おかあちゃん、おとうちゃん、ただいま!
「キムチ」……清楚なたたずまいが活字のイワタ明朝体をほうふつさせる
マドンナがいらっしゃったのですが……。
「ペリカン時代」……出版関係者が集っても空間が下卑ないのはお店の力!?
 ゲラを広げてもいやな顔ひとつされることなく。
「チョップスティックス」……かつての市場のなかにある屋台風ベトナム
料理屋さん。ラスト編集会議のあとはここでした。

いつも編集会議での白熱しそうで煮え切らない頭をかかえ、〆切をかかえ、
お財布は軽く、あーだこーだ、じつにくだらないことを真剣に、あおい
悩みも、あかい皮算用も、しろい絶望も、ぜーんぶ言葉にして酔っ払った
かけがえのない時間。

私たちはバカみたいに一生懸命でした。
そして、性懲りもなく、また飲んでる。電子じゃない高円寺の路地裏はた
また高架下で。

 お疲れさま! かんぱ〜い☆

 ──校正とレイアウト担当 大西寿男(ぼっと舎)


s-DSCN8987.jpg



   *   *   *


   ペンタゴン

りんごは5つに割るもんだ。
亡き父の口ぐせで、それはなぜかといえばりんごの花は5枚の花弁で、
タネもきれいに5つの部屋に収まっているからだ。
4とか6とかにナイフを入れる方が切りやすいのに、たしかに5等分すると
手ごろで食べやすい。

メールマガジン高円寺電子書林は5枚の花弁でひとつの編集部を形づくって
きたのだけれど、いよいよその花も見納めとなるときがきた。

2011年10月に創刊号を配信してから、すこしメンバーも入れ替わったり
しながらなんとか2年間が過ぎ、ここでいったん立ち止まってかんがえた
あげくに、区切りをつけることとなった経過は北條編集長の文にもある通り。

本屋はすでに出来上がった商品としての本・雑誌をお客様に手渡すだけ
なので、じっさいの制作現場に立ち会わせていただいたのは貴重な体験
だった。そしてマガジンというものはある種の雑多なものの混じり具合が
魅力でもあるので、そのバランス感覚をメンバー内ですり合わせながら
仕上げるさまは、職人のしごとの秘密を垣間見るようでわくわくした。

おおかたの同人誌というものはスポンサーが経済的な負担を背負って継続
するようで、投稿する側もまたそれに倣うといったかたちが多いと聞く、
だから全員がよほどの思い入れがないとその熱意を保ち続けるのはやさしく
ない。このメルマガは負担が少ないとはいえ、有料の配信サービスを利用
していたし、編集部を含めすべての著者に無料で書いていただくのはやはり
こころぐるしいものがあった。

無料であるのに読者数が思いのほか伸び悩んだこともあって、700名が
やっとだった。登録がうなぎ上りに増え続いていれば、あるいは編集部も
ちがう目標をかんがえることになったかもしれないが、これが現実だと
認めなくてはならない。
読者の感想を聞きたい、その反響や手ごたえがかんじられないという
ことが、じつはいちばんの悩みであったかもしれない。たとえそれが
めちゃくちゃな批判であったとしても、スルーされるよりはましだと
いいたくなるほどに読者が見えないことはつらいと思い知るのだった。

SNS の充実で1億総発信者になってきたご時世に、思い切り手間をかけて
本格的な編集+校正をほどこしたメルマガとの差異は……いや、これ以上は
詮無いことだ。

5弁の花は読者の手元に届いて、そして花園は消える。

メールを受け取ってくださったかたのもとで、押し花のようにいつか
そっと眺めていただけたらうれしい。

バックナンバーはどこにもアーカイブは残さないこととなった。これは
全国にいてくださる登録してくださったかたへの感謝をこめての結論だ。
編集メンバーはこれからも本の世界でいっそうの活躍をすることを約束
して、またちがった形でみなさまとお会いするにちがいない。
もし、気が付かれたらそっと声をかけてください。

見守ってくださったすべての関係者のみなさま、ほんとうにありがとう
ございました。

 ──高円寺電子書林 発行人 原田直子 

※ きょうの画像は善福寺公園です

author:信愛書店 en=gawa, 16:07
-,