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『狙撃手、前へ!ある父島移民の戦争』座談会ご報告;やっぱり『本』だね。
会場にあふれる参加者の皆様、エアコンが利かないほどの
熱気によくぞこらえてくださいました、ありがとうございます。

『狙撃手、前へ!ある父島移民の戦争』座談会ご報告です。

ドキュメンタリスト・記録家として文筆、写真、映像を駆使した活動で
各ジャンルで活躍する瀬戸山さん、なかでもご縁があって18年間にわたり
聞き書きを続けてきた小笠原父島にお住まいの横山丈夫さんを取り上げた
本を中心にお二人のゲストとともにお話がはずみました。

店内は BAR ogasawara というしつらえに、まずは瀬戸山さんの
撮影した横山さんはじめ父島の人びとと風景をスライドで流しながら
本になるまでの背景を語っていただきました。

主人公である横山さんは94歳で現在もおげんきですので、いつか
スカイプでの実況中継などもできるかもしれないとのこと。

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瀬戸山さんは元日本兵であった別のかたから提供された
貴重な実物資料も展示してくださいました。

画像を撮り忘れたのが残念ですが、知り合いの伝で入手した銃弾と、
戦中の日録を鉛筆でびっしりと書き込んだ軍隊手帳、またそこには
中国戦線での匪賊討伐という名目で住民を斬首する場面の記録写真が
何枚も挟まっていて。。。
「軍功」という名の陰湿な殺戮は人間に刷り込まれた暴力性のはけ口として
いまの時代にもまっすぐにつながるような恐ろしさをおぼえます。

南方での敗戦間際に展開された地獄絵図とはまたことなり、日中戦争の
残虐性を伴った侵略の実体は70年経っでもいまだに公式に検証されていない
ことがなによりも問題ではないか、なぜその取り組みが行われてこなかった
のだろう、国民性なのでしょうか。。と座談会は悲観的になりがち。。

さて、一息入れたところで参加者には小笠原名物のレモンサイダーが
ふるまわれました!

希望者には島名物のラム酒をサービス!



ここに見える『明日葉ふわふわ削り節』も島の名物、ということで
おにぎりにふわふわをのせてみなさんに味わっていただきました。

小笠原諸島は世界遺産の宝庫で美しい観光案内も送っていただきました。
希望者に差し上げますので、ぜひえんがわまでお寄りください。

ぐんと南国きぶんが盛り上がったところで、ゲストの北尾トロさん、
松竹伸幸さんも加わっての座談会となりました。


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『猟師になりたい!』を書かれた北尾トロさん、猟師一年生とはいえ
動く
野鳥などを
エアライフル(空気銃)のスコープでこう。。というしぐさが
リアルで迫力満点。

はじめての猟で実弾を込めた引き金に触れたとき、その一撃がはずれは
したものの、はずれてよかった、とどうじに当てたい!という複雑な
心もちになったこと、そして「第2発目、つぎ3発目となるにしたがって
引き金を引く葛藤、抵抗感といったものがどんどんハードルが下がる」
かんじ、それはなんともいえないリアルな実感がこもっていました。

命あるものを獲物として撃つ、ということと「ひと」を敵として撃つ
ことにどういう違いがあるか、との問いに『狩猟は文化』でもあると
いうトロさん、場の空気がほぐれた一瞬でした。

『自衛隊を活かす会』事務局長松竹伸幸さんがいまいちばん気になって
いること、いま審議中のいわゆる安保法案の危険性について語ります。
それは、日本では戦後70年というもの自衛隊は「戦場」へ行くことがなく、
敵へ向かって一発も発砲してこなかった、それがこのままでゆくと、
「だれが初めの一発を撃つか」が問われることとなり、2発目、3発目となるに
したがってその心理的なハードルはなし崩しに下がるだろうということです。

「戦場」ではない安全な地域といわれていたにもかかわらず、イラクより
帰還した自衛隊員のなかから相次ぐ自殺者の異常な多さが指摘されています。
精神を病む隊員、未遂も含めればさらに被害者が増えるのは必至では
ないでしょうか。

自衛隊員も市民であり国民のひとりとして尊重されるべきです。
戦前の捨て駒のように扱われることだけはなんとしてもやめさせなければ
なりません。

70年前の日本の戦場体験者は年々少なくなります。
体験を伝えるとは、受け止める・受け継ぐとはどういうことか。
被害者としての戦争体験が表に出やすいかわりに、加害者としての兵士の
戦場体験はまことに重くのしかかってくるものばかりです。

それは、いったいなぜ行われることになったのか?
事実に即して、戦争とそれにいたる社会のうごきを検証するメディアの
うごきがことしも活発にみられました。
当事者も、70年の歳月があって初めて語らなければとおもうかたもある
ようです。
アジア各地で被害者として声を上げた従軍慰安婦とされた女性たちも
当時は”こんなに年月が経ってから声を上げるのは信用できない”と
いうような人権無視の保守政治家や文化人がいましたが、こころの
奥底に隠しておきたいような苦しい気持ちをさらけ出すにはどれほどの
悩み苦しみがあったことでしょう。

遅すぎることは決してない、ということをおもいます。

座談会のお三方のご本を引き続き販売しています。
『狙撃手、前へ!』、『猟師になりたい!』、『憲法九条の軍事戦略』
ほか、ぜひお手に取ってください。

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そして、父島のレモンソーダ、すこしだけ在庫がありますので
希望者にお分けいたします。
堅いテーマですが『本』を通じて幅広い読者に届くことを願いつつ、
たのしいひと時を共有できたことが何よりの収穫でした。

瀬戸山さん、北尾さん、松竹さん、ご来場のみなさまほんとうに
ありがとうございました!
岩波書店、信濃毎日新聞社、かもがわ出版のみなさまにもお世話になりました。
深く感謝いたします。
author:信愛書店 en=gawa, 17:11
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