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その6 レビーさんのショッピング・リハビリ。

毎月第3日曜はいつもお買い物が楽しみだったHHさん。

沼津からいつもお店を出してくれる干物屋さん、季節の

花を路上いっぱいに並べてくれる花屋さん、出来立ての

湯葉を買うのがお決まりのコースでした。

 

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ゆっくりと外歩きもできるようになったのですが、日曜の朝から

デイサービスにゆくようになり、あさ市のお買い物ができなくなった

ことがとにかくざんねんでならない。。HHさんのたったひとつの

嘆き節です。

 

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風の穏やかなお昼ころにはベランダに出て、たくさんある

花鉢の水遣りができるようになりました。

おもいついて液肥などもやったり、ひとつひとつの顔色を

みながら置き場所を移してやるなど、時間がいくらあっても

足りないほどです。

 

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HHさんのお得意は数々の胡蝶蘭、エビネ蘭、カトレヤでした。

レビーさんがわが家に来たあたりから、ようすがおかしい、と

かんじたのがこうした花の手入れがまったくはかどらなくなった

すがたが続いたからです。

寝食忘れて、と夢中で手入れを欠かしたことがなかったのに、

水遣りと植え替えが手につかなくなって呆然としているすがたに

さすがにふつうではないと気づかされました。

 

あれから半年、庭の主の変わりように耐えて生き残ってくれた

鉢植えだけが寒い冬を迎えようとしています。

野生種に近い東洋蘭はなんとか全員そろってHHさんを見守って

いますが、いちばん手塩にかけてきた50年来の友である

セントポーリアは水遣りがむずかしく、窓辺で元気がありません。

 

手をかけただけ応えてくれる、だからいっしょうけんめいに

お世話をしたくなるの、

そんなふうにHHさんは言うのでした。

 

花の世話や、お買い物はいちばんのリハビリです。

葉っぱに虫食いはないか、土は乾いていないか、あふれた水を

お皿から捨てるようにね、と細やかな指示が繰り出されます。

大好きなチェダーチーズ、それもイギリス産のが冷蔵庫に切れて

いないかが心配でなりません。

スーパーやデパート、専門店でもお値段調べを欠かさず、

お気に入りのあの駅前のお店でかならず買うようにしています。

商品を見る目は真剣そのもの、秋刀魚の背が丸く盛り上がって

いるものでないとね、と細っこい秋刀魚には目もくれません。

 

以前のようには腕を振るうことはかなわなくなったけれど、

トリレバーの甘辛煮をつくる、と張り切って下ごしらえを

してくれました。

おいしいおいしい、と出来上がったレバーをあやうくひとりで

平らげそうになって食べ過ぎ注意。。。です。

 

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ストッパー、リミッターといったブレーキが利かなくなって

しまったようで、それがしんぱいなHHさん。

ああ、こういうひとどこかにいるなぁ、かんがえてみると

こどもはみなじぶんのやりたいことばかりかんがえている

ことに思い当たります。

 

50歳になったとき、畑で取れたりっぱな大根を掲げた写真を

送ってくれて、手紙にはこうありました。

『1世紀の半分を過ごしてきたかと思うと感無量です』。

その倍に近づいてきたHHさんの人生です、だんだんおてんば

むすめだったころに戻っているのかもしれません。

 

あすは晴れ。

author:信愛書店 en=gawa, 21:40
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