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「レビュー」について

朝日新聞2月17日33面。
 ネット書店アマゾン 消されたレビュー

レビュー、といわれる書評をめぐっての話題。

むかしレビューというとそれは舞台にずらりと並んだ踊り子たちが
ハイヒールのつま先を天井に突き上げて、いっせいにふくらんだドレスの裾を、
これでもかこれでもか・・・と音楽にあわせて揺らす光景がありました。

ラインダンス、とも呼ばれたあのショウのスタイルはなんだったのか?
広辞苑によれば;
パリで毎年12月に1年間の出来事を急激に場面を転換させながら
諷刺的に演じた1種の喜劇。

とありました。

なるほど、レビューという批評形式はおなじところから発生していたのです。

ここで気になったのは;
著者で作家の水村美苗さんが、
「削除理由について納得のいく説明がなく、公正さが疑われる」

とある部分です。
公正さ、を問題にしているようにみえましたが、それははたして妥当だろうか?
これまで新聞は”公器”といわれてきましたし、それは長い伝統の中で
瓦版あるいはもっと遡っての時代から表現・報道の自由をかけて
物書きたちが積み上げてきた貴重な反省と経験から獲得されてきた
ことからそう呼ばれてもおかしくありません。

そういう意味で”公器”とは出版する紙媒体そのものとあわせて
その読者すべてが関わることによって成り立たせている”紙面”と
いう”表現の場”を含んでいる、といえるのではないでしょうか。
そう認められて初めて社会性というものが成り立つ、と。

ならばAmazonははたしてどのような媒体なのでしょうか?
著者、読者としてなにをそこに期待しているのか、そこが今回の
ポイントであるとかんじました。

ほろび

Amazonのレビューの反響、売れ行き順位の数字に一喜一憂する
著者と編集者のすがたを知っています。

影響が大きいと思われるといっそう有利を期待するのは無理もありません。
でも、そこに”公正”という語はなぜか似つかわしくないようにおもえて
ならないのです。

どれほど世界戦略を持った企業であり、実売の数字ではリアル書店を
超えたといわれようとも、もとはオンライン通販業者のひとつであって
それ以上でも以下でもない、ということがあります。
ようするに売れるためにはどのようなこともいとわない。

じっさいに利用することもあるので、そのサービスの実態をよく知って
いますが、たとえ注文したモノが数ヵ月後に入らないことがわかっても
それまでの間に手際よく届く”お待たせしております”メールなどで
顧客の信頼を引き止めておく手段が徹底していることで結局だめでも
”よくやってくれた感”がふしぎと残る、といった具合です。

そういう点はまことにけっこうで大いに学ばなくてはなりません。

ただ、そういう顔をした強大な1企業であるということで、つまりは
自社の有利に働くことがすべてである、ですから個別の価値観を
受け付ける社会性といったものは存在しないといっていいでしょう。

顧客満足度、といいますがそれは高ければさらに購入してもらえる
からであり、売り上げ至上主義を言い換えただけのものです。
顧客としての立場を一歩引いて冷静にみるようにしたいというのが
正直な感想です、いまは。

たまたま『日本語が亡びるとき』を読んでいる最中で
この本について”レビュー”を書こうかな〜というときに
起きた騒動。
話題であるだけにまことに読みやすく、不勉強の身にとっては
じつに役立つことばかり、読み進めるのが惜しくてわざと脇に
置いてみたり、などしていました。

書くこと、表現することにとことん迫ってみせる筆の力は
なんとも魅力的。
行間にふと風が通り抜けるような、ちょっとふしぎな文体です。
ていねいに紹介をしてみたい、とおもっていたところでしたが
それが思わないかたちでまた話題を提供していたので、つい
触れることになったしだいです。

author:信愛書店 en=gawa, 13:47
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