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クラシックなマーブル紙など  製本工房紅綴堂
製本工房紅綴堂http://reliure.petit.cc/ 内田由紀子さんの
コラムです。
美しく、またふしぎなマーブル紙について書いてくださいました。

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豆書林ブログ ♯18
 
お久しぶりです。
今回は本の見返しに使われる装飾紙のなかでも特にクラシックな
ーブル紙を少しご紹介します。
 
マーブルとは大理石のこと。
そしてその大理石を模した模様をつけた紙をマーブル紙といいます
といっても、大理石とは似ても似つかない模様の紙がほとんどですが。
 
 
作り方は、糊のようなどろっとした液体に顔料を垂らして、
くしなどで模様を作り、紙に吸着させるというもの。
中国で発明された技法ともいわれていて(いろんな説
があるのですがとりあえずこれが一番有力
)日本では
墨流しがこれに近いです。
16世紀後半に中近東からヨーロッパに広まり、17世紀に
ドイツ・フランスで本格的に生産がはじまります。ドイツ
では日用品や美術品に、フランスでは製本に使われました。
17世紀末からドイツでも製本に用いられるようになり、
18世紀末にはヨーロッパ諸国で生産されるようになります。
模様は時代時代で様々なものが生み出されました。
代表的なものは小石模様、矢羽、櫛目などがあります
 
 
ルリユール(工芸製本)の世界で、マーブル紙は「総革装」
(表紙全体が一枚の革で覆われた高価な製本)
見返しとして使われ、その後「半革装」
(背と小口の角に
革を使い、表紙の半分以上に装飾紙を使用
)の表紙の
装飾紙として使われるようになりました。
また、液体の上に作った模様を紙に写し取るのではなくて、
本の小口に写し取る小口染めもあります。マーブルは
同じものは二度とできないので、複製が不可能だという
ことと、折丁
(通常、本文を数枚を一緒に折ったもの。
折丁を綴じていく
)を外すと模様が途切れてはっきり
わかることから、帳簿など不正ができないように
使われたりしました。
もちろん装飾としても小口のマーブル染めは定着しています。
 



 
 
マーブルの作り方は、国によって違うし、作家によっても
使う材料も違います。
絵の具を垂らす溶液が糊(でんぷんのりやセルロース
のりなど
)ったり、水だったり、ゴム溶液だったり。たらす
絵の具も溶液に対して浮くものを選びます。
アクリル絵の具、牛の胆汁を混ぜた水彩絵の具、油性絵の
具などなど。
もちいる道具も竹串や木に釘を一直線にたくさんさした
マーブル用の櫛などいろいろです。
これに関してはネットを検索したり、図書館などで本を
借りてみるのがいいかと思います。
 
あとは市販のマーブルキットでもある程度のものは
できます。材料がそろっているので一度ためしてみても
面白いとおもいます。世界堂やハンズ、ユザワヤなど
画材・クラフト材料店で扱っています。
 
                          
 
マーブル紙をつくるのはとっても楽しいですが、準備と
後片付けが大変です。
大量ののりをつくったり、処分したり
(下水に流しては
いけません!
)も大変ですし、なにより使い捨てなので
たくさん作らないと割りにあわなかったり。そして熟練も必要。
もちろんルリユールにはかかせない紙なので、友人の
製本家の中には自分で作っている人もたくさんいます。
日本にも教えている教室があるようなので
(私は体験しか
したことがないのでここでは紹介しませんが
)興味が
あれば調べていってみてもよいかもしれません。
 
購入なら伊東屋や竹尾でも可能ですが、値段や種類を
考えるとおすすめは名古屋の「紙の温度」
http://www.kaminoondo.co.jp/goods/index/9/index.html
ここは世界中のいろんな紙や材料、製本関係のものを
おいています。
実際お店に行くと紙好きは大興奮のお店です。
ネット販売も充実しています。
  
絵本カーニバルのことを少し。
私のやっている紅綴堂http://reliure.petit.cc/ という
製本工房で「絵本のお医者さん」「ノート・スケッチ
ブックのワークショップ」
に参加します。
詳しくは→座・高円寺のHPをご覧ください。
ワークショップが〆切が10日でしたが、まだ空きがある
ようなので、よろしければご参加ください。ノートのほうは
大人も参加できます。先日高円寺書林で開催したノート
作りに近い内容です。参加費
500円材料費300円と
結構安いのでよろしかったら遊びにおいでください。
                              内田由紀子
author:信愛書店 en=gawa, 11:39
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