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高円寺純情出版界◇名女川勝彦さん「出版界の展望あるか?」
茶房 高円寺書林へ入る角に庚申文化会館(町会の会館です)が
完成しましたので、ピカピカの会議室にて高円寺純情出版界の
会合がありました。

●第16回

   「雑誌不調で出版業界の『根幹』が枯れ始めたゾ」

講師 :女川勝彦(なめかわかつひこ)氏(元文藝春秋取締役)

内容:・日本の出版「業態」は雑誌が支えてきた

(編集者・営業マンが知らない出版物流の実態)
・「町の本屋」の崩壊
・取次のガリバー型寡占がもたらした功罪
・「書き手」(文藝・ノンフィクション)は雑誌が育む。

 ブログは著者を生み出せるか?
・展望はあるか? ちょっと、ある。


   

さすが名女川さんのつける見出しはちがいます。
そしてその短い見出しには裏打ちされた取材の土台が
あってのこと、だから迫力が違う、おはなしをお聞きしながら
おもいました。

雑誌がもっとも華やかで元気だった頃に現場を体験したかたが
いまの編集現場にものたりなさを、チクリと。

多いときは80万部、という定期刊行物それも週刊で!
それを生み出す作り手たちの熱いエネルギーは時代と
ともにあったからです。

いまはどうか。

ひとに読んでもらう、というだけならねこにも出来る時代です。
ここもそうであるように。

そうでなはく、生きた文というものがうまれるためには練りあげ、
鍛えられなくては、それには熟練の伝統技術にも似た熱情といった
ものがひとからひとへとたしかに伝えられて初めて生き生きと立ち上がって
くるものではないか。
人間くさい編集現場が浮かんでくるような熱い語り口に参加者は
さて、どんな感想を抱いたでしょうか?

5,000部いや1,000部でもコアな読者に無駄なく届けばいい、
という同人誌的な発想もひとつの考え方ではあります。
ただ50万部、といった膨大な読者に触れる、そのうちの一部かもし
れないけれどその記事の影響を受けるとしたらその数もまた
少なくない。
とかく悪者の代名詞のような”マスコミ”というありかたもまた
影響力の大きさから言えば一般市民の代弁者として重要な役割を
担う一面もあるのです。

そしてそこで先輩や批評家、読者に鍛えられて物書きへと進んだ
多くの作家たちがあります。
その現場が失われようとしているのはまことに惜しい。

技術の進歩が余りにめまぐるしいのもありますが、この国の
印刷物の出版文化からみていまは大きな転換点に差しかかって
います。
雑誌はたしかに戦後の出版文化を牽引してきました、そして
おそらくいまは鋭い曲がり角、というよりも突然に現れた空中回廊に
みな乗り移ろうとしている、それがどこへ続いてゆくものなのか
誰もわからないのに・・・そのような状態かもしれません。

ネット情報全盛の時代。
「展望はあるか? ちょっと、ある。」
いつの時代も良いものを作ろう!という意欲ある編集者を育てること
それが答えでしょう、と名女川さん。

高円寺純情出版界に参加してくれるのは世代も幅広く、職業もまた。
出版のほか図書館、デザイナー、取次、作家、学生とテーマに関心ある
ひとはだれでも参加できます。
隔月で会員制となっているためおおかた参加者の口コミで広がって
きました。
世話人の間で話題となっていること、自分が知りたいことを自由に
テーマに選んでいるゆるやかな集まりです。

出版物というものがすがたをさまざまに変えつつあるいま、ある
意味では可能性が広がっているといってもいいかもしれません。

書くちから、同時に読むちからが試されています。
author:信愛書店 en=gawa, 16:05
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