- 画像に読み取るもの
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-2008.12.31 Wednesday12月30日の朝日1面は「中国、初の空母建造」の
大見出しがあって、それもたしかに重大なニュースでは
あったけれど、4面にあるAPの画像が目を引く。
ガザ地区難民キャンプ、やっといのちをかかえて身を寄せたというのに
またもや空爆にさらされて逃げ惑うパレスチナ人の家族。
母の嘆き、父の怒りは想像が追いつかないほどのものにちがいない。
父に抱かれた少年の目がこちらを見つめている。
こちら?
カメラマンを?
おそらくカメラを構えたひとも恐怖が体を貫いていただろう。
少年は不思議なほどにしずかなまなざしでみつめている。
あなたを、そしてわたしを。
あるいはなにも見ていない。
見ているのはあなたであり、わたしだ。
あなたはかんがえる。
なんでこんなことが。
わたしがかんがえる。
できることはなにか。
読み、書き、あらゆる事柄をそれなりに知ることができる
この国にあって、ちっとも自由をありがたいことと感じない
鈍感さ。
対立する国同士の、ひどいのは政治家の抗争による計算ずくの
強硬策のあげくの、といわれる殺戮だ。
少年に見つめられて手が止まる。
希望はどこに。
ふと29日の同じ紙面にある「ひと」欄に美しい微笑を見る。
『彼女の名はサビーヌ』
愛する妹、家族を守るために作ったドキュメンタリー。
「怒りと使命感に突き動かされた。」と監督。
上映は2月より。
映画『仕立て屋の恋』はすばらしい作品なので、あわせて
ぜひおすすめしたい。
主演女優としての表現力をさらに監督業にいかして
サンドリーヌ・ボネールさんのこれからの活躍に期待。
おなじ紙面に並ぶこのような画像を見ながらおもう。
絶望と希望に橋を架けるとしたら、そこにこそ
『美』の出番があるにちがいない、と。
この1年、お付き合いくださったみなさまに深く
お礼申し上げます。
来る年が明るいものでありますように、ねがいつつ。
ちいさな灯りを点すことができますように、ピッチも
げんきでがんばります。
- 2009年2月は「高円寺路地裏 art week 」
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-2008.12.30 Tuesday新春2月のアートイベント「高円寺路地裏 art week 」に
ご期待ください!
お人形作家さんとファンの方が参加して、かわいい作品や
小物のどーるふりまは7日です。
同時に手芸素材のフリマもありますよ!
参加者募集中ですので、お気軽にメールをお待ちしています!
art week期間中に手芸作家前川陽子さんの作品展とワークショップを
準備中!
8日の午後に2回開催します。
豆本など本作りに興味あるかたのために製本のワークショップも
企画しています。
新春に出る本にあわせて準備しているのが
「猫毛フェルトで作るこものワークショップ」
『猫』 そして 『毛』 『フェルト』 とはいったい・・・!!??
5日から11日の期間中はギャラリーのスペース利用を
特別に3時間2,000円で予約受付中です!
音楽ライブ&お芝居など、1月7日までに予約されると
案内チラシにも掲載できますので、ぜひみなさまご利用
ください!
1月にはチラシを作成してより多くのみなさまにお知らせ
いたします。
どうぞおともだちとごいっしょにお出かけください。
お問い合わせはメールでお願いいたします。
担当;原田まで
- ことしもお世話になりました☆
- 内田由紀子の 豆書林ブログ♯16 製本構造について
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2008.12.27 Saturday内田由紀子の 豆書林ブログも今年最後の♯16となりました。
本が作られる工程や、わたしたちが当たり前のように手にしている
ハードカヴァーや文庫本がなぜこのようなすがたをしているのか、など
外側からは見えない部分についてていねいに解説をしていただいて
『本』というものにいっそうの愛着が湧いてきたかたもあるとおもいます。
また、『本』をとおして世のなかを見渡してみると、技術や経済の
流れそのものが浮かび上がってくることもわかります。
来年も本の周辺を専門家の目で楽しく語ってくださるので、どうぞ
お楽しみに!
豆書林ブログ♯16今回は無線綴じ、と呼ばれる製本構造について少し。本屋さんで売られている本のほとんどは、製本工場で大部分の工程を機械で
製本されたものです。すべてを手仕事で仕上げる手製本に対して、機械製本と呼ばれます。 ただ製本の工程は複雑で、機械製本といっても微妙な調整など、たくさんの人が
関わる職人仕事で、機械と人との二人三脚のようなものです。 昔ヨーロッパで、まだ本がすべて手作りだったころ、本はとっても高価で、
めったに読めないものでした。産業革命を経て、 本の製造工程を少しずつ
機械が補うようになってはじめて、庶民に手の届く範囲に本がやってきます。 もちろん機械で本が作られるまでにいろいろな試行錯誤がありました。
革の代わりになるクロスが発明されたり、機械で綴じをできる機械を考えたり、
長い年月がかかります。(ただし日本ではちょっと様子が違いましたが。和紙という薄くてしなやかな
紙のおかげで、堅牢な製本構造は必要なく、 絹糸で端をさっと綴じれば立派に
本になりました。もちろん手ですべてを行うので、 今と比べれば値段も高いもの
でしたが、西洋の豪華本とはまた違い、 機械がなくとも割合庶民に近い位置に
本があ りました。)明治時代に入って、外国の文化・技術がおおっぴらにはいってくると、当時
洋製本と呼ばれた、和本ではない形の本と、その作り方もやってきました。 洋紙は和紙と違い、しなやかさにかけるので、今までの和とじでは対応できず、 洋紙には洋製本が主流になってきます。 産業革命も終わった頃なので、洋製本も手製本と機械製本の両方の技術が 機械製
伝わりましたが、本のみが広まりました。 そんなわけで日本の洋製本は機械製本として出発しました。和紙ではなく洋紙を使い、印刷機を使う製本は合理的で、安く、流通に向いた
本ができるので和本は追いやられ、洋製本が主流となります。 本屋で売られている本は始まりからして、なるべく安く、たくさんの人の手に渡る
ようにという形を求めています。最初は紙を束ねて折り、その折り目を機械で糸を使って綴じていましたが、 その
手間も少しずつ縮小されます。折り目をに切込みをいれそこに接着剤を流し込んで綴じるあじろ綴じという、
糸を使わない無線綴じ、折り目側をまとめて断裁して接着剤で固めてしまう
無線綴じなど生まれます。無線とは糸や針金という「線」 を使わないといった
意味をもちます。文庫や新書のほぼすべて、そして児童書をのぞく多くの本が無線綴じで作られて
います。無線綴じのメリットはコストがかからないこと。デメリットは壊れやすいこと。 最近はばらばらになりにくい新しい接着剤が開発されたので、 デメリットの面が
小さくなり、ますます無線綴じへと移行していくようです。本のつくりには、その本ができた時代や社会が反映します。ヨーロッパ中世の豪華本の裏にはキリスト教の権力、王族貴族の権力が、 そして現代の無線綴じの裏には社会のスピード感、執着のなさのようなものが
あらわれているような気がしてなりません。 もちろん、いい、悪いの問題ではないので、ふと立ち止まって、本屋さんで手に
取った本をじっくりみて、本そのものについて思いをはせていただけたらいいなと
思います。ちなみに写真はパッセカルトン(綴じつけ製本)で製作した作品です。採算の取れる
ものではないし、本屋さんで売るわけにはいかないけれど、これはこれで、 とても
いいものだと思っています。それでは、本とともに、よい年末をお過ごしくださいませ。来年もお付き合いいただけましたら嬉しいです。内田由紀子
- 明日27日夜◇貸切イベントあります◇年末年始の営業
- デウスエクスマキな〜「結構人ミルクホール」
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-2008.12.25 Thursdayすてきなお店があつまっている千駄木のまち。
結構人ミルクホールのご亭主さまよりミニコミが届きました。
「デウスエクスマキな〜」 1号&2号です。
中央線沿いも面白スポットの宝庫ですが、東京東部はまたちがった
空気に満ちているまちがたくさんあります。
独特の”東京言葉”が聞かれるのもまた。
さすがにべらんめえ調はちょっと無理でも(母方の祖父は本物の
江戸っ子でいわゆる巻き舌がじつに粋な、といったひとでしたが)
いまも息づく下町の風情に触れることができるあたりといえるでしょう。
本とおいしいコーヒーとケーキ、そしてていねいに作られた牛乳を
看板に、だから「ミルクホール」なのですね。
「高円寺らいふMAP」を置いていただけることになりました。
ちいさいけれど元気な、そういったお店同士でお客さまへの
サービスに協力をしてゆきたいとおもいます。
『高円寺らいふMAP』はフリーペーパーです。
遠方のかたでご希望されるばあいは送料として切手で100円を添えてお送り
ください。
10枚までお送りいたします。
これ一枚でもう迷うことなく高円寺のまちを遊びつくせます!
お気に入りのお店をどんどん書き込んで、自分だけの my MAP を
作ってみるのもすてきですね!